“シェアしない”一人用ピザ「マイドミノ」が500万食超え。ヒット商品はどのようにして誕生したのか
スポーツイベントや花見に合わせたキャンペーンも好調
マイドミノを広めるにあたり、ドミノ・ピザでは、スポーツイベントや花見のタイミングに合わせてキャンペーンを実施しており、これが注文増につながっているという。
たとえば「ラグビーワールドカップ」や「WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)」のタイミングに実施したキャンペーンでは、試合の開催期間に合わせて割引価格でマイドミノを販売。また、花見の時期には10個で最大8,900円お得になるセット販売のキャンペーンを展開した。
┌────────── キャンペーンを打ったタイミングには、販売数がグッと伸びる傾向があります。スポーツやお花見といったワイワイと楽しむイベントとピザは特に相性がいいのだろうと思います(松原氏) └────────── こうしたキャンペーンの効果もあってか、マイドミノは他の新商品と比較して早いペースで売上が伸びているという。たとえば、2021年5月に発売開始したピザライスボウルは発売5ヵ月で100万食を達成したが、マイドミノは発売約4ヵ月で150万食を超えた。 リピーター率や新規購入者数も他の商品より高い傾向があり、これまでとは異なる顧客層へのアプローチや、これまで食べたことがない種類のピザを食べる機会の提供につながっているそうだ。 ┌────────── おひとり様サイズで手頃な価格ですので、お試し買いのようなニーズも満たせているのかなと。まずはマイドミノで頼んでみて、おいしかったらみんなで集まるときにも頼むなど選択肢を広げられていると思います(松原氏) └──────────
目指すのは「機会食」から「日常食」へのシフト
発売から1年以上が経過した現在も、マイドミノは順調に販売数が伸びている。この結果から、「一人で好きなピザを食べたいニーズ」が十分にあることがわかる。一方で、ピザを「機会食」から「日常食」に変えていくには、さらなる工夫が求められるようだ。
┌────────── ピザは人と人とをつなげ、会話がはずむ楽しい食事だと思います。その楽しさを時々ではなく、日常的に取り入れてもらうことは当社の今後の挑戦です(松原氏) └──────────
実際にマイドミノを食べてみると、サイドも含めて自分の好きなメニューをセットにできるのは満足度が高かった。持ち帰りなら1,000円前後なので、普段のランチの選択肢になるかもしれない。日常食としてピザを浸透させるにあたり、マイドミノがその一端を担うことはありそうだ。