小池都知事が定例会見2月12日(全文1)渋沢栄一・後藤新平の精神を受け継ぐ
SDGsを体現した渋沢栄一
そろばんと、こういう福祉と、SDGsを文字どおり体現した人生を歩んでこられ、なんと600もの社会貢献活動に尽力されたのが渋沢栄一であります。東京商工会議所など、まさに渋沢栄一氏が創立、30代ですよ、創立をされたということで、その歴史の歩みたるや、600の、今、社会福祉関係と申し上げましたけれど、企業の数はもうあれもこれもで、たくさんあり過ぎるぐらいですけれども、本当にそういう先人を持ってありがたいなと、東京の発展の礎をつくってくれた、そのような持続可能な社会の先駆けのような存在ではないかと思います。そこでまず渋沢栄一さんのSです。 それから第7代の東京市長というのは後藤新平で、後藤というのは、この後藤新平さんのことを指しております。関東大震災後に帝都復興計画を作って、長期的な視点に立って東京の都市基盤の骨格を築いたということは、都庁クラブの皆さんはもうすでにご承知のことだと思います。主な幹線道路っていうのは、大風呂敷といわれたこの後藤新平が、ひゃーっと線を引っ張って、そして多額の予算を、たたかれながらも確保して進めたからこそ、今の東京、首都の交通があると言っても過言ではないと思います。ただし、それはただただハードにだけというのではなくて、人間中心の都市の思想、そしてそれに加えて大胆な発想と実行力ということで、もう本当に学ぶべきことが多いわけです。 私、もともとガールスカウトでしたので、ボーイスカウトを日本で始められて、後藤新平さん、そのあと発展させられたということでも尊敬申し上げるし、台湾でも今も大人気というのが後藤新平さんです。渋沢栄一さん、後藤新平さん、こうした偉大な先人たちの精神を受け継いで、私たちの具体的な行動によって持続可能な未来の東京を築いていかなければならないということです。
強靱で持続可能な社会をつくり上げる
その「未来の東京」戦略を展開するスタンス、2つあります。1つが構造改革であります。デジタル化の遅れなどは今回のこのコロナ禍で本当にもう明白に表れて、世界から見て何周遅れだみたいな話ですよね。そこで、構造的な課題の根源にまで踏み込んだ改革を今こそ強力に推し進めていかなければならない。もう1つがサステナブル・リカバリーであります。コロナの前の社会にただただ戻って、ああ、良かったねというのではなくて、ここで学んだ、また、ここで痛感したこと、それを新たな価値として生み出していって、強靱な持続可能な社会をつくり上げていく、これが2つ目の大きなポイントです。 こうした考え方の下で、「未来の東京」戦略におきましては、まず2040年代の「20のビジョン」を挙げました。そして2030年に向けた戦略と推進プロジェクト、ちょっとその前ですね。2040年の前が2030年のプロジェクト。これらについて、今回の新型コロナを踏まえまして全面的にバージョンアップしました。前に作った「未来」の戦略は、かなりコロナによって塗り替えざるを得なかったと言ってもいいかと思います。そして特に、そのための戦略については、新たに「戦略0」としまして、「感染症に打ち勝つ戦略」ということで項を設けたということであります。 この「未来の東京」戦略は作って終わりではありません。そして推進プロジェクトを、スピード感を持って実施するために施策の具体化をしていく必要があります。それを「3か年のアクションプラン」として盛り込んでおります。これを、全庁を挙げてプロジェクトを強力に推進することによって、かねてより申し上げおります「3つのシティ」、これを進化させていく、そして「成長」と「成熟」が両立した持続可能な未来の東京を実現していくという、そういった内容になっております。