子どもの運動が足りない!幼児・小学生は毎日合計60分以上運動が理想。継続的に運動すると脳が発達し、学習能力もアップ!【専門家監修】
10歳のころの祖父母、ママ・パパ世代と比較してわかった、現代の子どもたちの運動能力
スポーツ庁が、2024年10月に発表した「令和5年度体力・運動能力調査の結果」によると、「運動しない」と答えた子どもは6歳男児では約10%、6歳女児は約15%でした。文部科学省は、子どもの運動は、毎日合計60 分以上を推奨しています。世界保健機関(WHO)も同様です。子どもの運動に詳しい、順天堂大学スポーツ健康科学部 鈴木宏哉先生に、子どもの運動能力の現状と運動の必要性について教えていただきました。 【画像9枚】スポーツ庁「令和5年度体力・運動能力調査の結果」を見る 鈴木宏哉先生(以下、鈴木先生):スポーツ庁が、2024年10月に発表した「令和5年度体力・運動能力調査の結果」では、祖父母、ママ・パパ、子どもの3世代(※)にわたり、10歳当時の運動能力を比較しています。 ※昭和39年度(現在69歳)、平成5年度(現在40歳)、令和5年度の10歳当時の比較。 ■祖父母世代と現代の子どもたちを比較すると… 【男子】 鈴木先生:10歳男子の平均身長は、昭和39年度は135.5cmで、令和5年度より4.3cm低く、平均体重は、昭和39年度は27.6kgで、令和5年度より6.8kg軽いです。しかし50m走の平均は、ほぼ同じ。ボール投げの平均は、昭和39年度のほうが高いことがわかります。 【女子】 鈴木先生:10歳女子の平均身長は、昭和39年度は134cmで、令和5年度より7.6cm低いです。平均体重は、昭和39年度は29.2kgで、令和5年度より5.7kg軽いです。女子も50m走の平均は、ほぼ同じ。ボール投げの平均も、昭和39年度のほうが高いことがわかります。 つまり、現代の子どもたちは男女とも、祖父母世代よりも身長も体重も大きくなっているのに、運動能力は変わらないか低いことが、今回の調査でわかりました。 ■パパ・ママ世代と比較すると… 鈴木先生:また平成5年度と令和5年度を比較すると、男女とも平均身長・平均体重はほぼ変わりません。しかし男子を見ると、ボール投げは平成5年度のほうが5.2mも上回っています。50m走も平成5年度のほうが速いです。このデータからも、現代の子どもたちは運動能力が低下傾向にあることがわかります。