「4浪で上智大合格」プロ野球選手の夢破れた彼の奮起。高校は野球強豪校に入学するも、力の差を目の当たりに
「1浪目を終えて、『このままだと東大に行けないな』という感覚よりも、『いけるんじゃないか』という感覚のほうが上回りました。当時、東大合格者の合格体験記をネットで調べて見ていたのですが、高校1年生のときに受けたセンター試験の点数を書いている人の中に、50%を切っていた人がいたのです。僕は1年間でその数字を超えているから、大丈夫だなと思い、2浪を決断しました」 ■2浪目は予備校に通ったものの… 2年目の浪人では、東大に行くためには予備校に通ったほうがいいと判断し、駿台予備学校広島校に入りました。
しかし、そもそも学校のような環境で勉強することが得意ではなかったため、2カ月で通わなくなってしまいました。 夏からは前年と同じように宅浪で勉強した結果、センター試験は大幅アップの730/900点を記録。東大1本で出願し、念願の1次試験を突破できたものの、2次試験はボロボロに終わってしまいました。 「この年はとにかく知識を詰め込んで、東大の2次試験に進むことが目標でした。無事、足切り(1次試験)は突破できましたが、2次は記述の練習もしていないですし、リスニングや英作文なども全然対策していなかったので、余裕で落ちましたね」
東大は受験者に不合格者の中での得点順を「A~E」の5段階でランク付けしていますが、鹿瀬さんはいちばん下の「E」でした。それでも、根拠のない自信があったことに加え、東大以外には行きたくなったことから3浪を決意します。 3浪では宅浪の環境で、記述対策を中心に今まで通り1日10時間程度の勉強を重ねました。成績は右肩上がりで、東大模試では初めてC判定を取ることができました。しかし、東大の過去問をやり続けるうえで、フラストレーションが溜まっていったそうです。
「この年はだいたいの科目で20カ年分の東大の過去問を解きました。でも、東大の問題は難しいので、過去問集の答えが間違えていることもよくあったんです。また、各予備校が出している過去問集には、重要な思考プロセスは書いてあったのですが、あくまで『ポイントだけ』で、明確にどう答えに導かれるのかがわからず、頭が混乱しました。『うーん』となることもありましたね(笑)」 「今思えば、それがきっかけで起業してから自分で物事を考える癖がついた」と前向きに振り返る鹿瀬さんですが、当時は深刻な悩みだったようです。