元気なうちにお金は使わなきゃね!減額を承知の上で年金を「繰上げ受給」した61歳会社員だが…心の奥底から消えない不安「これで本当によかったのか」
年金をいつもらうか、答えのない永遠のテーマともいえます。65歳で普通に受給するか、繰下げて増額した金額を受け取るか、繰上げて減額されつつも早く受け取るか……。繰下げのメリットが強調されがちですが、実際には繰下げを選択する人は非常に少ないのが現実です。とはいえ、繰上げは繰下げで減額以外のデメリットがあり、のちのち後悔するケースも。見ていきましょう。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
年金の繰上げ・繰下げで受取額はこれだけ変わる
年金を65歳で受け取るか、前倒しで受け取るか、あるいは後ろ倒しで受け取るか……。老後の暮らしを考える上で大切であり難しい選択でもあります。 年金は通常65歳から受給スタートになりますが、申請をすれば60歳~64歳で「繰上げ受給」をすることも、66歳~75歳で「繰下げ受給」することもできます。 繰上げ受給をすると、1ヵ月の繰上げごとに0.4%(1962年4月2日以前生まれの人は0.5%)年金額が減ります。細かな減額率は下記の通りで、最大繰上げ幅5年(60歳から受け取り)を選択すると、24%(同30%)年金が減ることになります。早くもらうほど年金が減るという仕組みです。 一方で、繰下げ受給をすると、1ヵ月の繰下げごとに0.7%年金が増えます。細かな増額率は下記の通りで、最大繰下げ幅10年(75歳から受け取り)を選択すると、84%年金額が増額します。こちらは、遅くもらうほど年金が増えるという仕組みです。 繰上げは5年しか前倒しできないのに対して、繰下げは10年の後ろ倒しが可能。2022年3月までは繰下げ受給の上限は70歳でしたが、同年4月より75歳までに引き上げられています。 「年金=老後資金」という大前提があるのはもちろんですが、高齢者の就労を促す、あるいは長寿化が止まらない日本において「長生きリスク」への対応策として年金を活用してほしいという意図があります。 繰上げ・繰下げをするとどう年金額が変わるのでしょうか? 例えば、65歳時点での年金受給額が月15万円だった場合、5年繰上げて60歳で受け取ると、受給額が月11万4,000円に。24%減なので3万6,000円のマイナスです。 一方、同じく月15万円を5年繰下げて70歳で受け取る場合、受給額は月21万3,000円になり、42%増で6万3,000円のプラスとなります。 金額を見れば断然繰下げのほうがお得に見えます。では繰下げが人気なのかといえば、そんなことはありません。
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