「4浪で上智大合格」プロ野球選手の夢破れた彼の奮起。高校は野球強豪校に入学するも、力の差を目の当たりに
この年のセンター試験は前年度よりあまり伸びず、740/900点程度でしたが、記述対策をしていたため、東大本番には手応えもありました。 それでも、この年も力及ばず不合格に終わってしまいました。彼は自身が落ちた理由を「アウトプットの力が足りなかった」と分析します。 「この年の東大の2次試験で実力は出せたと思います。ただ、頭の中で問題は解けていても、途中経過や文章の組み立ての部分が弱かったんです。東大の記述を乗り切れるだけの文章が、自分には書けなかったのだと思いました」
■早稲田も不合格、4浪が確定 この年は東大以外にも早稲田大学政治経済学部のセンター試験利用に出願したものの、こちらも落ちてしまい、4浪が確定してしまいます。 とはいえ、東大の不合格者ランクは「C」まで上がっていたため、鹿瀬さん自身は確かな手応えを感じていました。 「4浪目は絶対行ける!」と思っていた鹿瀬さんは、ここでふたたび駿台予備学校の広島校に入ります。しかし、やはりこの選択は自分の適性に合っていなかったそうです。
「去年、過去問の演習で解答の過程がわからなかったこともあって、ここまでのレベルに到達した今だからこそ、改めて予備校に行く意味があるんじゃないかと思っていました。実際にいちばん上のクラスに入れましたし、東大を目指すにはいい環境でした。でも、結局予備校で勉強するのは自分に合っていなかったため、ほぼ行かなくなりました。その結果、東大対策の授業だけを受けていました」 この年も例年通り9~10時間の勉強を続けたこともあり、センター試験では770/900点を記録します。
しかし、この歳になって周囲から、「そろそろ大学に行ったほうがいい」と説得されて、センター利用入試以外で、初めて私立で併願校の受験を検討します。その候補の1つとして考えたのが、上智大学経済学部経営学科でした。 「早慶は問題に癖があるのでその対策をしている分、東大の対策の時間も取られますし、東大受験が終わる前後に結果が出るというデメリットがありました。そのため、2月の上旬に受けられて、すぐに結果がわかる上智大学を受けました」