東邦、耐えて初戦飾る 1200人の応援団歓喜 /愛知
<2019 第91回センバツ高校野球> 第91回選抜高校野球大会第4日の26日、東邦が1回戦に登場し、21世紀枠の富岡西(徳島)に3-1で競り勝った。相手投手の好投に苦しみ、一時は同点に追いつかれたが、落ち着いたプレーで終盤に勝ち越した。3年ぶりのセンバツ初戦突破に、地元から駆けつけた約1200人の応援団は歓喜に沸き返った。2回戦は大会第8日の30日、第1試合(午前9時開始予定)で広陵(広島)と対戦する。【高井瞳、土谷純一、日向米華】 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 平成最後のセンバツ優勝に向け好発進--。この日、東邦の応援スタンドは同校スクールカラーの緑のメガホンを持った生徒や保護者で埋め尽くされた。 同点に追いつかれて迎えた七回裏、野球部員の斎田隼さん(3年)は「東邦は打撃が武器。絶対連打で勝ち越せる」と祈るようにグラウンドを見つめた。 その期待に応えるように1死二塁の好機が訪れる。1番・松井涼太選手(同)が「どんな球でも打って(エースの)石川を助けてやりたい」と外角低めの直球をはじき返す勝ち越しの一打。松井選手の母洋子さん(43)は「努力家で一生懸命練習してきた。大事なところで打ててよかったです」と胸をなで下ろした。 続く七回2死二塁の場面では、石川昂弥主将(同)が中前適時打を放ってさらに突き放す。10年以上東邦のファンという寺沢翔さん(29)は「打ってくれると思っていた。このまま勝ち切ってほしい」と拍手を送った。 エース石川主将が粘りの投球で最後の打者を遊ゴロに打ち取り、勝利が決まると、スタンドの選手たちは跳び上がって喜んだ。石川主将の父尋貴さん(47)は「ドキドキする場面もあったけれど、よく粘って投げた。試合前の『絶対勝つ』というメッセージ通りしっかり勝ってくれた」、マネジャーの志水美紅さん(同)は「昨春は負けてしまったので本当に良かった。次も絶対に勝ってほしい」と目を細めた。 ◇友情応援駆けつけ ○…東邦のバトントワリング部=写真=は、友情応援で駆けつけた大阪桐蔭高吹奏楽部と一度も合同で練習できず、当日の本番に臨んだ。斎藤紗雪部長(3年)は「音源をもらって練習したが、うまくできるか不安」と緊張気味だったが、試合が始まると「野球部のためにもいつも通り全力で頑張る」と笑顔でエールを送っていた。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球譜 ◇冷静に守備 昨春のリベンジ 熊田任洋遊撃手(3年) 「走攻守の全部で成長した姿を見せたい」と臨んだ2度目のセンバツ。この日は守備で安定感のあるプレーを見せた。 躍進の裏には悔しい経験がある。堅実な守備と打撃が評価され下級生ながら出場した昨春のセンバツ。しかし、大舞台に体が思うように動かず自信のある守備でボールを取りこぼしてしまった。打撃も振るわずチームは初戦敗退。「甲子園での借りは甲子園で返す」と誓い、大舞台に戻ってきた。試合前夜は、眠りについても「いよいよ甲子園でプレーできる」という興奮から何度も目が覚めた。 そして迎えた本番。1点リードで迎えた六回1死二、三塁の場面の守備では、落ち着いたプレーでピンチを防ぎ、成長したプレーを見せた。今大会初安打は次戦に持ち越しとなったが、「去年より確実に手応えがある。次こそは走攻守で活躍したい」と意気込んだ。【高井瞳】 ……………………………………………………………………………………………………… ▽1回戦 富岡西 000001000=1 00100020×=3 東邦