「ヤバい…戦力外が近づいている」阪神1年目に激ヤセ8kg減、脱臼の絶望…元阪神・北條史也が語る“後悔”「僕は大谷翔平にも藤浪晋太郎にも聞けなかった」
元阪神・北條史也は野球人生を、ある一点で悔いている。「僕は、できなかったんです……」。プロ入り直後の激ヤセ、年俸2000万超え、絶望の脱臼。大谷翔平や藤浪晋太郎がいる1994年度生まれの代、北條が明かす“現役時代の苦悩”。【全4回の3回目】 【レア写真】「超貴重…藤浪&北條が地元の成人式で豪華2ショット」「まるでモデル…藤浪さんの足が長過ぎる」藤浪晋太郎、北條史也、大谷翔平の初々しい高校時代から現在まで一気に見る ◆◆◆ 「感覚的には完璧に当たって、角度もよくて、もう、いったっていう感触だったんですけど、レフトフライやったんです。ガリガリになっていたので、バットを振れていなかったのかな。周りからみたら『こいつ、スイングおっそ』って思われてたかもしれません」
阪神入団直後に激ヤセ…なぜ?
二軍の練習は想像以上に過酷だった。毎日、午前中は練習、午後は試合、そして試合後に特守と特打が待っていた。「特」の字が付くのは全体練習とは別の個人的な練習だからだ。日によってはそのあとにさらに筋力トレーニングを課せられた。 北條史也はげんなりとした表情を浮かべる。 「1年目、75~6kgで入団してるんですけど、5月ぐらいですかね、68~9kgぐらいまで落ちて。練習がしんど過ぎて、ご飯が食べられなかったんです」 1年目のキャンプの二軍スタートが決まったとき、北條は内心、「なんで一軍じゃないの?」とふてくされた。だが、さして有名ではない二軍選手たちのプレーを目の当たりにし、自分がこれから戦わなければならない世界の厳しさを肌で感じたものだ。 「守備練習をしたら捕ってから速いし、バッティングでも、フルスイングしないで、もう、軽くポーンと打って、スタンドにポンポン入ってるし。ファームでもこんなにすごいんやって思いましたね」 まだ1年目だったにもかかわらず北條は知らず知らずのうちに自分の能力の1つに見切りをつけていた。 「ホームランは無理かな、と。そんなバカバカ打って、30本とかは無理だろうなと思っちゃいましたね」
「年俸2000万超え」4年目の飛躍
1年目のファームでの打撃成績は打率.199、ホームランは1本に終わった。2年目は「ヒットを打てたらいいや」と気持ちを切り替え、打率.259、ホームラン2本と上昇傾向を見せる。 「ホームランよりも、しっかりアジャストして、低いライナーを打とうという気持ちになったら、ライト前とかめっちゃ打てるようになりましたね」 3年目はウエイトトレーニングの成果が出て、ホームラン10本と一気に上積みした。この年は1打席ながら一軍デビューも果たしている。 そうして迎えた4年目は飛躍の年となった。開幕を一軍で迎え、少ないチャンスを確実に生かし、夏以降はショートのレギュラーに定着。最終的に打率.273、ホームラン5本という好成績を残した。 年俸も一気にアップした。最初の3年間は入団時の年俸である700万円台のままだったが、この年のオフは2200万円で契約更改したと報道されている。 何とか間に合った。 「そこはめっちゃ目指してました。2年目ぐらいから、めっちゃ思っていました」 北條が目指していた場所。それは年俸1500万円のラインだった。 「4年目が終わると、翌年、自分たちの同級生の大卒組が入ってくる。大卒でドラ1やったら、年俸1500万かと思って。それ以上はいきたいなと思っていました。同級生が入ってくるタイミングで負けてるのは嫌やなと」
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