鉄道旅行でまさかのロストバゲージ?荷物車に預けたスーツケースが別物に… かつては衝突事故も、カナディアン乗車記⑤完 「鉄道なにコレ!?」【第61回】
私が乗った列車のエコノミークラス利用者は学生らしき人や、家族連れを見かけた。ある客室乗務員は「大部分はマナーの良い利用者だ」と前置きしつつ、「長距離利用する顧客の中には航空会社とトラブルを起こしてブラックリストに載っているため、鉄道で移動する人もいる」と打ち明けた。 これに対し、VIA鉄道は「税金で支えられている国営企業のため、原則としてあらゆる利用者も受け入れるのが使命になっている」という。 乗客とのトラブルで目立つのが「車内が禁煙のため、喫煙者が長時間たばこなどを吸えないことにいら立たれるケースだ」と説明を受けた。特に問題が起こりやすいのが、定刻でも約9時間にわたって長時間停車がないカナダ中部サスカチワン州サスカチューンと西部アルバータ州エドモントンの区間だ。「貨物列車との待ち合わせのために列車が遅れ、抗議を受けたこともあった」と振り返る。 VIA鉄道と貨物列車が行き違う際には線路を保有するCNなどの貨物列車が優先されており、乗務員も「お客様には事情を説明し、理解を求めている」と話す。
だが、看過できないトラブルが起きることもあるという。以前にもカナディアンに乗車したという男性は「乗っていた列車がエドモントン駅に着いた際に何台かのパトカーが待ち構えていたことがあった」と証言した。 ▽大型スーツケースやペットを預けられる荷物車も連結 カナディアンには乗客が預けた荷物を収納する荷物車も連結しており、VIA鉄道によると全長4・5メートル超のカヌーを12艘(そう)と大型スーツケース100個を同時に運べるという。乗った列車は旧バッド製の「8604」をつないでいた。 乗客が旅行に同伴する飼い犬も、移動中はケージに入れられて荷物室で過ごす。長時間停車する途中駅では飼い主が餌や水を与えたり、散歩させたりしていた。 私は荷物車で運んでもらうためにトロント・ユニオン駅で1個の黒いスーツケースを預け入れた。バンクーバー・パシフィック・セントラル駅に到着後は、受け取るために駅舎内にある手荷物回転台(ターンテーブル)へ向かった。