ウェブサイトを成長させるウェブ解析士マスターの心得と手法とは?
どうやって描けばいいかって? 簡単です。全メディアの担当者が集まって、メディアごとに3年後の理想を語りあい、ホワイトボードに付箋を貼って、発表しあいましょう。そのあとにコンサルタントの方や広告代理店の方に相談し、形を整えていくのです。
理想の組織図をつくる
次につくるべきは「オウンドメディアのウェブ戦略書」です。 これはおおまかに言うと、リニューアル後のサイトの運営方針や、運営に携わる部門の組織体制、各部門のKPI、KGI、KSFを設定し、ツリー構造にした組織体制図です。 組織図は、攻めと守りから構成されていて、認知拡大や新しいコンテンツ制作を行っていく「攻めを担う部隊」と、サイトの基盤管理や新しいツールの導入といった「守りを担う部隊」で役割を分けます。 部門ごとの目標にまで落とし込めれば、目指すべきゴールに向けた登場人物それぞれの役割と重要性が見えてきます。
お客さまとのコミュニケーション動線を設計する
どのようなメディアでも最も重要なのが、お客さまとのコミュニケーションです。 発信をメインとするオウンドメディアではつい忘れてしまいがちですが、来訪してくださるお客さまは必ず目的を持っています。ランディングページから離脱ページまでの理想のルートを設計し、主要動線をつくっていきましょう。 ここがまさに解析士の腕の見せどころです! たとえば「問い合わせをしたお客さま」が辿った最短ルート、適切な情報収集ルートなどをゴールデンルートとして設定し、その経路で必ず通っているキーコンテンツを探しあてましょう。そして、キーコンテンツを多くの人に見てもらえるようバナー配置を検討することで、お客さまを目的達成へと導くことができるのです。 これらのルートと実際に辿ったルートを比較することで、お客さまに向けたコンテンツが、はたして興味深く見ていただけているのかを検証できます。
社内で褒めあう文化をつくる
ウェブ関連業務に従事する方は日々感じていると思いますが、ウェブサイトの各コンテンツの施策効果は比べるのが難しく、良し悪しを評価しにくいです。 DNPも各事業部門やグループ会社ごとにコンテンツを管理しているため、最初は部門ごとにレポートを作成しておりました。 しかし、コンテンツごとにアクセス増減をまとめても、それが良いのか悪いのか基準がないと評価しにくいというのが課題でした。 そこで、サイト全体から見たときに個々のコンテンツが良いのか悪いのか状態を評価するために、「コンテンツ通信簿」という成績表をつくりました。これは、アクセス数、検索流入数、問い合わせ数を100点満点で評価するレポートです。 3ヵ月に一度まとめて発表し、アクセス増加につながる施策を行った部門には施策内容を発表してもらう、会を開催するようにしました。年度末には最も集客できた部門、多くのお問合わせに導いた部門を経営層が表彰し、担当者のモチベーション向上につなげています。
おわりに
今回はウェブサイトを成長させるために、ウェブ解析士がどのような心得で、どのような仕事をしているのか、私の経験に基づいてお話ししました。ウェブに携わる方も、そうでない方も、日々の生活やお仕事の中で何か1つでもヒントになれば幸いです。 次回からもウェブ解析士目線で、日常のさまざまな事象を分析していきたいと思います。よろしくお願いいたします。ご意見、ご感想、ファンレター(笑)もお待ちしています!