「平和国家としての日本の歩みは不変」岸田首相会見12月16日(全文3完)
反撃はミサイル発射後に限られるのか
記者:朝日新聞の石松です。よろしくお願いします。敵基地攻撃能力、反撃能力についてお伺いします。決定した安全保障関連3文書では反撃能力について、相手からのミサイル攻撃がなされた場合、ミサイル防衛により飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からのさらなる武力攻撃を防ぐためにわが国から有効な反撃を相手に与えられる能力と定義し、相手の領域で有効な反撃を加えることができるとしましたが、従来の政府見解では、相手のミサイル発射前でも攻撃の着手を確認できれば敵地を攻撃できるとしてきました。今回の反撃能力は攻撃着手の確認時ではなくて、相手からのミサイル攻撃がなされた場合と定義づけられていますが、すなわち発射後に限られるということなのか、見解を教えてください。 岸田:これは当然のことながら、具体的なわが国の安全保障の体制、システムをどう構築していくかということですから、今言ったご質問に答えることは控えなければならないと思いますが、これは私も外務大臣時代、ずいぶんと国際法について議論を行いました。ましてや特に平和安全法制の議論、担当大臣でしたので、この議論を行いましたが、国際法上、先制攻撃は国際法違反であります。よってこの「着手」というのは、論理上は大変重要でありますが、その「着手」の見極めというのはいろんな説、学説がありますし、国によってもいろいろな扱いがあります。この辺は大変難しい課題であります。しかし、その中にあっても日本は国際法をしっかり守ってまいりますということを申し上げているわけですから、その範囲内で日本が対応できる体制を具体的につくっていかなければならない、このように思っています。 それ以上具体的な対応について申し上げることは、まさに安全保障の機微に触れることでありますので、私の立場からは控えなければならないと思っております。 司会:それでは大変恐縮ですが、あと2問とさせていただきます。それでは大川さん。