「平和国家としての日本の歩みは不変」岸田首相会見12月16日(全文3完)
国防についての考えを聞かせてほしい
記者:フリーランスの大川興業、大川豊です。よろしくお願いします。連日の公務、お疲れさまでございます。国防についてお伺いいたします。かつて世界恐慌のころに高橋是清大蔵大臣は、国債を積極財政で発行し、軍備増強と農村を救済いたしました。そのときに、軍備増強をすることによって重化学工業が発展し、日産コンツェルンなどが生まれました。今回のこの国防において、例えばウクライナの戦争でも暗号の戦いが行われております。日本でも量子コンピューターの暗号などの、暗号を制する者が世界を制するといわれております。こういった防衛費の増強と科学技術が今、グレーゾーンになりつつあります。こういった融合も含めて、どのようにお考えか聞かせていただければと思います。 岸田:先ほど申し上げたように、軍事・非軍事の境が曖昧になってきているというのが国際社会の現実だと思います。その中にあって、各国は総合的な防衛力を考えなければいけない。伝統的な外交、安全保障だけではなくして、ご指摘のような技術ですとか経済も含めた総合的な安全保障を考えていかなければいけない。これが現実であると思います。 いずれにせよ先ほど申し上げたように、日本としては、憲法、国際法、国内法、そして専守防衛をはじめとする基本的な姿勢、こうしたものはこれからも堅持をしていきます。その中で、科学、さまざまな技術をどのように国民の命や暮らしを守るために活用していくのか、これを考えていく。これは政治の大きな責任だと思います。憲法をはじめとするさまざまな枠組みをしっかり守りながらそうした技術についても考えていくことが、国民の皆さまの安心や理解にもつながると思います。ぜひこの辺り、政治としてしっかりと説明責任を果たしながら、必要とする技術等についてもありようを考えていきたいと思います。 それ以上はちょっと、具体的にどうこうは細かくは申し上げません。基本的な、今言ったような考えた方に基づいて対応していきたい、このように思っています。 司会:それでは最後に、中国新聞の樋口さん。