小泉今日子さん、30代女性のお悩みに「“若いね”って、しばらくたったらどうでもよくなる言葉です」
30歳前後になると後輩ができて、30代中盤に入ると「若手」とも言われなくなってきます。ところが“いい先輩”でいようとすると、息苦しく感じてしまったり、自分がつまらない人間に感じてしまったり…。30代特有の悩みを、人生の先輩でもあり、「先輩」として多くの女性にリスペクトされている小泉今日子さんにぶつけてみました。 【写真】小泉今日子さん58歳、美しきパンツスタイル
人生で初めて年齢について考えるのが30代
小泉さん:30代って人生で初めて年齢について考えて、「ああ……」ってなる頃かもしれないですよね。皆さんのお悩み、受けて立ちましょう(笑)! ――昔は人から「若いね」って言われると、なんだかバカにされているようで嫌だったのに、つい後輩に同じことを言ってしまいます。こういった経験はありますか? 小泉さん:「若いね」っていうのは、今58歳の私でも70代の人によく言われますよ。一生言われる言葉だと思います。母親が70代の頃にも、知り合いに「あら、若いわね」って言われてたもん。だから、「若いね」って、言ってもいい言葉なんじゃないかな。30代はそう言われることにも、つい自分が言ってしまったことにもモヤモヤするかもしれないけど、もうしばらくたったらどうでもよくなるってことはお伝えしておきますね(笑)。
悩み多き年頃には思う存分悩んで、行動しておく
――小泉さんの新刊『ホントのコイズミさん NARRATIVE』でも、「若い」という言葉について思いを巡らせていらっしゃいます。若い頃はよかった、なんて思うことはありますか? 小泉さん:私は「若い頃に戻りたい」とか「若い頃がよかった」なんてことは感じないです。もし戻れるとしたら40代を選ぶと思う。20代や30代ってとにかくいろいろなことに悩んでいたから、「yoi」読者の皆さんが今悩んでいることもよくわかります。でも、この悩み多き年頃に、思う存分悩んで、行動しておくと40代になって少しラクになりますよ。 50代の今ももちろん楽しいんだけど、40代は特に楽しかったですね。自分の精神と肉体がちょうど仲良くなっているって感じで。本当によくお酒を飲んでいましたし(笑)。毎晩たっぷり飲んでも、まだ仕事に行けるぐらいの体力があったんですよ。バケツ一杯分ぐらいお酒を飲んで、次の日にそのまま仕事に行ってました。 一番やんちゃで元気だった頃かもしれない。まわりの友達も仕事を頑張っている人ばかりだったから、経済的にもちょっと余裕が生まれてきて。「旅行行く?」って急に誘っても「行っちゃうか!」みたいな勢いがあったんですよね。 20代の頃は、自分はすでに今の仕事をしていてまわりの子たちよりお金があったから「どっか行こうよ」って誘っても「お金がない」って断られちゃう。「私が出してあげると関係が崩れるかな」っていつも気にしていたから、それから解放されて嬉しかった。 ――その頃に比べて、「成長した」と感じることはありますか。 小泉さん:自分の発する言葉にどんどんしっくり来るようになりましたね。さまざまなことの説明がうまくなっているというか。言葉と自分の関係が気持ちのよいものになってきた実感があります。思考とマッチしている感覚です。 あと、とくに今は頑張りすぎないでいられるようになったかな。無理をしないように過ごせるようになった。「今日は疲れたから頑張らない」って素直に言える。30~40代の頃は「私が頑張っていないとダメだ」なんて頑なに思ってしまっていたけど。まわりは「休んでくれたらいいのに」って内心思っていたでしょうね(笑)。今は意識して休むようにしています。本を読んだり、大好きな韓国ドラマを観たり、猫と一緒にのんびりしたり。