なぜ前日ハム“ノンテンダー”大田泰示は横浜DeNAを新天地に選び年俸半分以下からの再出発を決断したのか…背番号「0」の思い
年俸が成績に見合わなくなったと判断した球団側が取るこの「ノンテンダー」は、メジャーリーグでよく用いられる手法だ。今シーズンの大田の年俸は1億3000万円。成績は76試合に出場して打率.204、3本塁打、20打点と打撃3部門で日本ハム移籍後のワーストにあえぎ、6月と9月の二度にわたって出場選手登録を抹消された。 新任の稲葉篤紀GMは11月16日に、3人の「ノンテンダー」を発表している。西川と秋吉の去就がまだ決まっていないなかで、1ヵ月あまりの日々を経て横浜DeNAのユニフォームへ袖を通した経緯を、大田は必然だったと前向きに受け止める。 「今回は『ノンテンダー』という言われ方をしていますけど、結果的に自由契約になってDeNAベイスターズさんからオファーをいただいて、それに対して僕が『お願いします』と言った形なので。それが縁であり、運命だと僕は思っています」 縁や運命をさかのぼっていくと、高校時代の3年間に行き着く。 広島県福山市の城南中学3年時に、当時野球評論家だった巨人の原辰徳監督の野球教室に参加。スイングを褒められたことで、原監督の母校である東海大相模へ進学した。 高校通算65本塁打を放った大砲として、ドラフト上位候補に育った3年間で、テレビ神奈川の野球中継を介して横浜の試合は常に身近にあったと大田は懐かしがる。 「新しいチームに対する緊張感も少し混ざりながら、自分にとって思い出深い神奈川にあるDeNAベイスターズで野球ができる率直な嬉しさとワクワク感があります」 大田が「ノンテンダー」にならず、オフに国内FA権を行使したとしても、三原代表は「必ず(獲得を)検討したと思う」と明言した。 大田を必要とした理由をこう語る。 「三拍子がそろった身体能力の高い選手ですし、編成的には当然注目していました。さらに大田選手の特長としてはスピードがあるので、そちらにも期待したい。大田選手が入ることによって、バリエーションが非常に豊富になると考えています」