インテルサット衛星損失後に700個以上の破片を確認–宇宙追跡会社が警告した「新たな脅威」
Intelsat(インテルサット)の衛星「Intelsat 33e(IS-33e)」が静止軌道上(GEO)で失われた事件について、「宇宙領域における新たな脅威が浮き彫りになった」と、宇宙追跡会社のExoAnalytic Solutionsが報告している。 Intelsat 33eはGEOを飛行する通信衛星で、2024年10月19日に異常が発生し、21日には完全に損失。一部顧客への通信サービスが停止し、米宇宙軍が約20個の破片を追跡していた。 米国で開催されたSpacepower Conferenceに登壇したExoAnalytic SolutionsのClint Clark副社長は、同社がIntelsat 33eの事故後に700個以上の破片の雲を確認したと語った。「もし悪者がそれを計画していたら、GEOになんでも展開できる」と、同氏は警告している。 現在Boeing(ボーイング)は、Intelsat向けに製造した次世代高スループット衛星「EpicNG」が4機中2機、分解した原因を調査している。同シリーズの最初の衛星「Intelsat 29e」は隕石の衝突か配線の欠陥により、2019年に全損した。 Clark副社長は、GEOにおける他の衛星の日常的な操作や精密検査など、中国の能力が高まっていることを指摘。またExoAnalytic Solutionsは、「中国がGEOへの直接的な脅威となる戦術を実行している」と述べている。
塚本直樹