天皇陛下64歳誕生日会見(全文) 能登半島地震の犠牲者に哀悼の意 ご家族への思いも
雅子さまへの思い「今後ともできる限り力になり、支えていきたい」
雅子は工夫や努力を重ねながら、この1年も都内での式典などの行事の他、予定されていた岩手県、北海道、鹿児島県、並びに石川県への地方の訪問を全て終えることができました。 また、久々の海外への親善訪問として、滞在期間が国内で地方を訪問するときよりも長いインドネシア訪問を2人で無事に果たすことができたことに、安堵するとともにうれしく思いました。 この1年、都内、宮殿や御所での行事も増えました。いまだ回復の途上で、体調には波があり、大きな行事の後や行事が続いた場合には、疲れがしばらく残ることもあります。そのような際には十分に休息を取ってほしいと思いますし、これからも無理をせずに、できることを一つひとつ着実に積み重ねていってほしいと思います。 国民の皆さんには、これまで温かく心を寄せていただいていることに、雅子とともに改めて感謝の気持ちをお伝えするとともに、引き続き雅子の回復を温かく見守っていただければありがたく思います。 雅子と結婚してから2人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合い、喜びや悲しみなどを分かち合いながら歩んでまいりました。雅子は、娘の愛子の成長を見守りつつ、私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手になってくれています。本当によくやってくれていると思い、助けられることも多いです。私も今後ともできる限り力になり、支えていきたいと思っています。 30年をともに過ごす雅子には、私からこれまでの感謝の気持ちを伝えたいと思うとともに、「この先の人生も引き続きよろしく」と伝えたいと思います。
愛子さまへの思い「社会人の1人として成長していってくれることを願う」
幹事社:今年、愛子さまは大学卒業後、日本赤十字社に嘱託職員としてお勤めになり、秋篠宮家の悠仁さまは成年を迎えられます。愛子さまの最近のご様子や大学生活での思い出深い出来事とともに、日赤への就職にあたってご家族で話し合われたこと、おひとかたでの公的な活動の見通しや、ご結婚への考えをお聞かせください。皇位継承順位2位の悠仁さまの成長について、どのようにご覧になっていらっしゃいますか。今後期待されていることをお聞かせください。 天皇陛下:愛子には新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着き、今年度からは大学のキャンパスに足を運べるようになりました。大学での勉学に熱心に取り組み、先生方やお友だちと一緒に楽しく充実した学生生活を送っているように思います。 卒業論文の執筆にあたっては、指導の先生方のご助言をいただきながら論文を読んだり、放課後などに大学の図書館や日本語日本文学科の書庫などで資料を集めたりしながら、一生懸命論文を執筆していました。卒業が間近に迫っていますが、残りの大学生活を有意義に送ってもらえればと思っています。これまで温かくご指導いただいている先生方や職員の皆さん、そして親しくしていただいているお友だちに心から感謝しております。 大学生活では、日本語日本文学科の専門科目の授業はもとより、教養科目や他の学科の授業、例えば日本史、東洋史、日本の伝統芸能や福祉などの講義を聞き、視野を広げることができたことや、ことに、今年度からは大学のキャンパス内で先生方やお友だちとじかにお話ししたり、一緒に運動ができたりしたことなどが、かけがえのない経験として印象に残っているようです。また、キャンパス内の様々な場所を探索できたことも楽しかったようです。