天皇陛下64歳誕生日会見(全文) 能登半島地震の犠牲者に哀悼の意 ご家族への思いも
雅子さまとのインドネシア訪問「大変うれしく思います」
9月には「全国豊かな海づくり大会」のために北海道を、そして10月には特別国民体育大会のために鹿児島県、国民文化祭および全国障害者芸術文化祭のために石川県を訪れ、それぞれの地域の特色に触れ、この国の自然、風土や歴史、文化の豊かさを改めて感じることができました。 今年の歌会始の歌でも読みましたが、各地を訪れた際に皆さんとじかに接することができたことは大変うれしいことでした。それぞれの場所でいろいろな方のお話を直接うかがい、皆さんの笑顔に接することができたことも心和むことでした。 地方を訪れた際、それぞれの関係者の方々が、感染防止対策に気を配りながら万全の準備を進めてこられたこと、また、多くの道県民の皆さんが私と雅子を温かく迎えてくださったことに、雅子とともに心から感謝したいと思います。 6月には、日本インドネシア外交関係開設65周年、および日本ASEAN友好協力50周年という記念すべき年に、雅子とともにインドネシアを訪問できたことを大変うれしく思います。2人そろっての初めての東南アジアの国への公式訪問ということもあり、私たちにとってとても思い出深いものとなりました。 訪問中は、ジョコ大統領ご夫妻やハメンクブウォノ10世、ジョグジャカルタ特別州知事ご夫妻をはじめとして、各地でインドネシア政府や国民の皆さんに温かく迎えていただき、心のこもったおもてなしをいただいたことは大変ありがたく、心から感謝しております。この機会に、改めて今回の訪問の実現に尽力されたインドネシアと日本の多くの関係者の皆さんに感謝したいと思います。 訪問を通じて、インドネシアの歴史や、多様性に富んだ豊かな社会・文化に対する理解を深められた他、両国の間で長年にわたり培われてきた友好親善と協力の実績を目の当たりにすることができました。 また、ボゴール宮殿、ボゴール植物園、ダルマプルサダ大学、ボロブドゥール寺院遺跡など、かつて上皇上皇后両陛下もご訪問になったゆかりの場所を訪問したり、両国間の交流に様々な形で貢献されてきた幅広い世代の方々に直接お会いして、両国の友好親善関係が、難しかった時代を経て世代を超えた人々のたゆみない努力と交流を通じて育まれてきたことに、思いを新たにいたしました。 日本や日本の人々に温かい気持ちを寄せていただいているインドネシアの人々がたくさんいることを実感し、うれしく、ありがたく思いました。中でも、日本の文化や言葉などを通じて、日本に関心を寄せるインドネシアの若い人々や、インドネシアで暮らす日本の子どもたちや若い人々と交流する中で、今後の両国の友好親善と協力関係において、若い世代が果たす役割の可能性を感じました。 両国の若い世代がお互いに対する関心を深めて交流し、両国の相互理解と友好協力関係の一層の深まりに、大きな役割を担っていってくれることを期待いたします。今回の訪問が日本とインドネシアの人々の相互理解を一層深め、両国の友好親善と協力関係をさらに発展させる契機となったのであれば、大変うれしく思います。