自分のデスクがないオフィス、社員が出社しない一因にも-見直し進む
セールスフォースでは通常、同じチームの従業員が互いの近くに座るようにしているが、数カ所では専用デスクを増やす実験をしていると、不動産およびワークプレイスサービス担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのレリナ・ブルチャンダニ氏がインタビューで語った。
ホットデスクにこだわっている企業は、従業員がより働きやすくなるようにさまざまな工夫をしている。フランスの大手製薬会社サノフィは、スペースを有効活用するため17年にデスクの共有を開始した。マサチューセッツ州ケンブリッジにあるオフィスを再設計した際には、従業員2人に1デスクの割合にした。
同社のワークプレイス変革グローバル責任者、フェルナンド・ファリア氏によれば、サノフィの オフィスにはプライバシーブース、少人数用の小さな会議室、大きなオープンテーブルなどさまざまな働き場所があり、さらに社員のニーズに対応する 「ホスピタリティアンバサダー」もいる。
300人規模の旅行テクノロジー新興企業であるスポットナナは、これとは正反対のアプローチをとっている。ニューヨーク、インドのベンガルール、カリフォルニア州パロアルトにある同社オフィスの社員は全員自分のデスクを持っていると、ピープル担当バイスプレジデントのジェシカ・バートレット氏が述べた。
雇用主は、パンデミックの最中の長時間の在宅勤務によって社員が高品質な照明、追加モニター、観葉植物などの個人的な演出でホームオフィスのセットアップを柔軟にできるようになったことに気づいた。従業員はオフィスに戻った後も、働く場所をコントロールしているという感覚を持ち続けたいと望んでいる。
「朝起きて支度をして出勤するのをできるだけ楽にしたい。会社に来ることへの障壁はいらない」とバートレット氏は話した。
原題:Hot Desking Is Annoying Office Workers Who Want Their Own Space(抜粋)
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Matthew Boyle