自分のデスクがないオフィス、社員が出社しない一因にも-見直し進む
「ホットデスクで一番嫌なのは、壊れていない椅子を探さなければならないことだ」と、レディットのある投稿者は不満を漏らしている。「そして、椅子の位置と画面の高さを再調整しなければならない。仕事を始める前に環境を整えるために朝の30分が無駄になることもある」という。
ソフトウエア開発者のブライアン・カービー氏(42)は、キーボードとマウスを他の人と共有しなければならないという「嫌な要素」もあると話す。
また、全社員が出社しなければならない日には、ホットデスクはオフィスの椅子取りゲームのようになり、不運な社員は一日中休憩室に陣取ることになる。
シティグループは約10年前にほぼ完全なホットデスク制度に移行したが、2022年に従業員をオフィスに呼び戻したところ、ほとんどの従業員が出社しなければならない水曜にデスクが足りないという問題が表面化した。それ以来、出社する曜日はより均等に分散された。
ウォール街だけではない。商業用不動産ブローカーのジョーンズ・ラング・ラサールのデータ(JLL)によると、一般的なオフィスでは1デスクに対する社員の数は、企業がオフィスの面積やワークステーションの数を削減するにつれて増加している。
雇用主が採用する最も一般的なデスクシェア比率は19年に1席当たり約1.1人か1.2人だったが、ハイブリッドオフィスで今年最も多く挙げられた比率は1席あたり1.5人以上だったことがJLLの調べで分かった。しかし、誰もがそれに満足しているわけではない。JLLによれば「リーダーシップと従業員の両方に、座席共有への抵抗感がある」という。
セキュリティー会社カッスル・システムズによると、米国の主要10都市でオフィスの稼働率は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の約半分にとどまっている。不動産ブローカー、サビルズのゲイブ・マランズ副会長によれば、空席の区画があちこちにある中、雇用主は「専用デスクを採用する傾向が強まっている」という。