バーさながらのスタイリッシュな空間で本格派寿司コースをご堪能あれ
肝ソースも店によって味が違い、生クリームをたっぷり入れてフレンチのソースのように仕立てるものもありますが、こちらはしっかりアワビの肝感を残したペースト系。最後に酢飯を入れてリゾットにする、これもお決まりです。正直、丼いっぱい食べたいです。
猫田さん「肝ソースは、アワビの肝をこして、卵黄と生クリームを少々、醤油、アワビ酒蒸しの出汁と合わせて作るそうです。仕込みも大変ですね~!」
料理4品の後は、ひとまず握りへ。白身魚の次に登場したのは、ピンクを通り越してほぼ白い大トロ。出ました、和歌山の一本釣りマグロ! その日の朝獲れたものを直送してもらい、冷蔵庫で「氷熟成」するんだそうな。旨みが凝縮され、脂も落ち着いています。
そうそう、シャリにもかなりこだわりが。12種ほど試したお米の中から「これがウチのネタに合う!」と選び抜いた宮城産ササニシキの3年ものの古米を、温度管理に気を使いながら土鍋で炊くそう。昔の寿司屋さんは古米を使うのが定番でしたが、今はあまりないようですね。
酢は米酢、赤酢、そしてリンゴ酢(!)のブレンドで、本店と全く違う酢飯なのだとか。さらに凄いのが醤油で、魚に塗った後の刷毛をそのまま醤油壷に戻し、継ぎ足して使います。こうすることで魚の旨みや脂も加わり、どんどん味わいを増していくのです。
真っ黒なシャリ! 本店にはない名物握りとは……
ご飯が焦げてるよー!と言いそうになりましたが、これはイカスミを混ぜた黒シャリ。本店にはない黒シャリは「イカウニのせ」のためだけに炊いています。「はなれ」の名物握りの一つでもあります。
「跳ねるだけ跳ねさせてます」と剣先イカを完膚なきまでに飾り切りにし、ウニをこんもりと。この日は北海道礼文島のキタムラサキウニでしたが、バフンウニの時期もあります。
淡雪塩という大粒の塩を華麗に振らせる様子を見ていると、ハマショーの歌が脳内再生されます。こんなにかけてしょっぱそう!と思いますが、尖った塩気はなく、シャリシャリと食べられる塩なんです。