TikTokトップインフルエンサー 年収26億円…アメリカ Z世代が「インフルエンサー」に憧れる背景にあるものとは?
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 今回のテーマは、「日本より激しい学歴競争~アメリカZ世代を悩ませる“学歴インフレ”とは?」。「NY Future Lab」のメンバーが、経済的インフレと同時に起きている「学歴インフレ」について語り合いました。
◆学歴のインフレが加速するのはなぜ?
インフレ対策で世界中が頭を抱える昨今。アメリカでは急激な値上がりこそは収束したものの、すべての商品・サービスの値段が高止まりしている状況です。中間層以下の賃金はそれほど上がっておらず、インフレに追いついていないため生活が苦しくなっています。 そうしたなか、経済の将来を担うZ世代を悩ませているのが「学歴インフレ」です。学歴がインフレするとは、どんな状態を示すのでしょうか? ラボメンバーに話を聞きました。 ミクア:ニューヨークで生活するためには、1人暮らしでも6桁の年収(日本円で1,500万円)以上なければ、本当にいい生活を送れないんだよね。家賃や食費などを支払い、外食を楽しんだりするにはそのくらい必要。「よし、年収1,500万円稼ぐために学校に行こう!」ということになる。でもそれも4年生の大学だけでなく、今は大学院の修士号も必要になっている。 ノエ:そうそう、僕はそれがなかったんだよね。 ミクア:今って「本当の人生は30歳で始まる」とか言うでしょう? その理由がわかるよね。必要な学位を得て、然るべきキャリアを始められるのは30歳くらいからということだよ。すごい時間がかかるということ。 ノエ:すべてがインフレしていて、かつての100ドルは20ドルくらいの価値しかないって言うよね。昔の大学院卒の修士号は、今の4大卒の学士号くらいの価値になっている。これもインフレだよ。 ケンジュ:前の世代では家賃もはるかに安かったし、家もずっと買いやすかった。そして、普通の生活を送ることができた。高卒でも大卒でも、ある程度高収入の仕事を見つけることもできたから。必要な分を支払ったあとでも、好きなことを楽しめた。でも今は、僕たちの世代にはずっと大きな経済的圧力がかかっていると思う。 何もかもが高くなった今、アメリカでは必要な収入を得るためにはさらなる学歴が求められます。しかも、これまでは高卒で得られた職が大卒を要求したり、かつての大卒の仕事が今は大学院卒の仕事になったりしています。 モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「(そうなった背景には)今は大卒や大学院卒が増えたというのもあります。あと、アメリカにはもともと終身雇用がないんですね。転職してもっと給料のいい仕事に就きたいから、常に仕事を探しているわけです」とコメント。転職競争の激化によって企業は学歴でふるいにかけることになり、そのため学歴インフレが起こっているのではないかと説明しました。