87歳で亡くなるまで超現役!史上2人目アメリカ最高裁女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ
かっこいい大人たちの半生を追体験できるのが、ドキュメンタリー映画の魅力。肉声のメッセージやリアルな生き様から、生きるヒントをもらいます。女性解放運動のアイコンとして、幅広い世代の人気を集めたアメリカの最高裁判事。法律家としての偉大なる功績と、控えめでチャーミングな人柄とのギャップに魅了されます。© Cable News Network. All rights reserved. 【画像一覧を見る】
「一度にすべてが変わるとは思いません。真の変化は一歩ずつ起こるものですから」
映画の冒頭、スウェット姿で筋トレに励むインパクト、85歳の最高裁判事というパワーウーマンぶりから強い女性像をイメージしがちですが、取材を受けた知人や友人は、一様に「真面目で控えめ、内気」と彼女を語ります。 ブルックリンに生まれたユダヤ人女性、ルース・ベイダー・ギンズバーグがロースクールに入学した1956年、男子学生500人に対し女子学生はたったの9人。首席で卒業しますが、当時の法曹界では女性に活躍の機会はなく、小さな子供を抱える母親でもあった彼女の就職先は皆無。「妊娠した女性は解雇できる」「夫婦間の性暴力は罪に問われない」。当時の不平等な法律を改正するため、ルースは女性の権利プロジェクトを設立し、性差別に関わる幾つもの裁判で勝訴。男女平等のムーブメントを推し進めます。 弁護士として順調なキャリアを築いていた夫のマーティンは、ルースの法律家としての能力とその役割の重要性に気づき、彼女のサポートに回ることに。夫の後押しもあり、女性では史上2人目の最高裁判事に指名されたのは60歳の時。女性やマイノリティーの権利に関わる重要な裁判で、存在感を発揮していきます。 男性中心の法曹界での処世術は、「怒っても感情的になってはならない。幼稚園の先生のつもりで」。おしゃれでユーモアセンスも抜群。2018年にその半生を描いた映画が公開されると、80代のポップアイコンとして大人気に。ラッパーネームにならい頭文字をとったRBGという愛称で幅広い世代に親しまれます。 平日の睡眠時間は平均4時間。仕事に没頭すると寝食を忘れてしまうほど、法律家としての使命に燃えるルースは、最愛の夫を亡くした時でさえ仕事を休まず、2度のガンと闘いながら、87歳で亡くなるまで現役を貫きます。 現在私たち女性が男性と等しい権利を得られているのは、法律家として戦ってきたルースの功績があってこそ。長い時間をかけて根気よく女性の権利を勝ち取ってきた彼女の生き方に、頭が下がります。