なぜ巨人はSBに歯が立たないのか…丸の走塁事件に見え隠れする“差”とは?
「丸は右足でベースを踏み、左足で中村のベースについている足を蹴ったような形になりました。本来、左足でベースの手前の右端を踏むのが一塁を駆け抜ける際のセオリーです。しかし、歩数が合わないこともあり、スピードを緩めて歩幅を調整するのなら、どっちの足になろうが全力で駆け抜けることもまたセオリーなのです。確かに過去には一塁手の足を故意に蹴ってトラブルになったこともありました。なんとかセーフになろう、とした結果、あるいは、なんらかの遺恨があるケースです。ただ今回の丸にその意図はなかったでしょう。映像をよく見ると、丸が少しだけベース前で歩幅を大きくとりスピードが緩んでいます。思い切り駆け抜けると、自然と左足が高くあがり一塁手の足に接触することはありません。逆に歩幅を伸ばし、スピードが緩んだので、左足がひっかかったのです。全力走塁への意識の差が、この騒動を生んだとも言えるのではないでしょうか」 またDH制度の全試合導入の決断も裏目に出た。 橋上氏は、楽天のコーチ時代にこんな経験をしたという。 「交流戦で打席に立つこと、走者になることを嫌がる投手が多かったんです。ピッチングに集中できなくなるというのが理由です。もし全試合DH制を使わず、この2戦、ソフトバンクの投手を打席に立たせていれば、チャンスが生まれたのかもしれません」 もう巨人には後がない。しかも敵地での3連戦である。 「巨人がソフトバンクの投手陣を攻略する、あるいは投手陣がソフトバンク打線を封じ込めるというイメージが持てません。2年連続の4タテもありえるかもしれません」 橋上氏の予想も致し方ない。それほどの実力差を感じさせる戦いになっている。