元ホンダ技術者・浅木泰昭氏が語るシーズン後半の展望! "優勝請負人"ニューウェイの移籍先、その本命は!?
今週末に開催される第15戦オランダGP(決勝8月25日)からF1の後半戦がスタートする。注目のチャンピオン争いはレッドブルとマックス・フェルスタッペンがトップで折り返したが、ライバルたちは王者の背中を確実にとらえている。 【写真】なぜホンダはF1に復帰するのか? 舞台裏をつづった浅木氏の著書 チャンピオン争いのカギとなるのか? 後半戦の注目ポイントは? ホンダのパワーユニット(PU)の生みの親、浅木泰昭(あさき・やすあき)氏が、技術者の視点でシーズン後半戦を展望する! 前編はこちらから * * * ■レッドブル時代の終わりの始まりか? ――今シーズンのF1は全24戦で争われますが、後半戦は第15戦のオランダGPからスタートします。見どころは? 浅木 F1は2026年シーズンから新しいマシンのレギュレーションが導入されます。そのため各チームは来シーズン、新レギュレーションに向けての開発にシフトすると思います。つまり24年シーズンの後半戦の勢力図がそのまま25年シーズンも続いていくと予想しているので、この後半戦の各チームのマシン開発は非常に重要になっていきます。 その中で注目しているのはやはりレッドブルですね。前編でも話したように、レッドブルはチーム創設者のデートリヒ・マテシッツが亡くなったあと、チーム内で権力闘争が始まりました。その後、マシン設計を手掛けてきた最高技術責任者のエイドリアン・ニューウェイを始め、さまざまな人材がチームを離れ、レッドブルの開発スピードが落ちてしまっている、というのが私の仮説です。 もはやレッドブルは"泥船"で、終わりの始まりを迎えているのか? それとも開発がたまたま失敗したことによって生じたつまずきなのか? どんなチームも、アップデートがうまくいかずに一時的に停滞することはあります。レッドブルには底力があり、クリスチャン・ホーナー代表がしっかりと立て直してくるのか。それがはっきりするのは、これから始まる後半戦だと思っています。