食の楽しみの多様性が広がり、魅力を増すドバイのレストランシーン
ミシュラン・ドバイが昨年スタートし、レストランシーンがかつてないほど盛り上がりを見せているドバイ。輸入食材に頼りがちだった砂漠の国から、地産地消を目指す方向へと舵も切られています。今回は、そんなドバイで人気抜群の実力派シェフの店やアラブ式アフタヌーンティーをご紹介します。
数々の受賞歴に輝くスターシェフの店〈オーファリ•ブロス〉で、ここに来なければ体験できない唯一無二の味を。
自由な発想で作り出される、創造力豊かな料理の数々 中東随一のセレブリティ・シェフ、モハメッド・オーファリさんと、パティシエのふたりの弟ワッシムさん&オマールさんによる〈Orfali Brosオーファリ・ブロス〉は、高級住宅街の美しい広場の一角にあります。有名シェフのお店ながらグランドメゾンのような緊張感はなく、カジュアルな雰囲気で居心地抜群なビストロスタイルのレストランです。シリア出身のモハメッドさんは、故郷アレッポの料理をベースに、独創的な発想で中東料理の枠を軽々と超え、唯一無二の料理を創り出します。意外な食材の組み合わせによる相乗効果から生まれる斬新な美味は世界的にも高く評価されていて、2023年度の中東北アフリカベスト50レストランでは堂々の1位、全世界対象のワールドベスト50レストランでも46位にランクイン。ミシュランのビブグルマンも持つ、ドバイを代表する料理人です。「すでにある料理を解体して再構築するのがイノベーティブ・フュージョン料理の定義なら、私の料理はそれには当てはまりません。再構築するのではなく、世界中の料理からインスピレーションを得ながらまったく新しいオリジナルレシピを生み出すのが、私の料理。メニューにある料理にはすべてストーリーがあります」とモハメッドさん。
日本の食材や料理法も取り入れ、新しい味を生み出すオーファリシェフ。
モハメッドさんは、日本の食材や料理が大好きだそう。特にお気に入りなのが大葉で、契約農家に特別に栽培してもらっているほど。ブルグルサラダのイートHという料理は、目の前でスタッフが全部をよく混ぜ合わせてから丸めて、大葉の上に置いてくれます。大葉で包んで一口で食べれば、中東風のスパイシーさと大葉の爽やかな香りが見事にマッチ。複雑な味わいと楽しい食感が印象的です。