食の楽しみの多様性が広がり、魅力を増すドバイのレストランシーン
メニューを見ていると、“シシバラク・アラ・ギョウザ”という料理を発見。見た目は餃子そのものながら、合わせるのはガーリックヨーグルトのソース、スジュクオイル(シリアやヨルダンのソーセージ“スジュク”から作ったオイル)、松の実、ミント。しっかりと中東風の仕上げになっています。「日本や中国の餃子、ロシアのペリメニ、ネパールのモモ、イタリアのラビオリなどなど、ユーラシア大陸には皮で包んで食べるという料理がどこにでもありますよね。それを私なりに表現したのがこちら。私の料理はどれも、ドバイのマルチカルチャー(多文化主義)を象徴していると思っています」。
1階のオープンキッチンでは、シェフとそのチームが日々創造的な味を生み出し、2階のアトリエではふたりの弟がこちらも独創的なデザート作りに取り組んでいます。入り口のショウケースには、造形美に溢れたスイーツが並び、料理メニューを見る前からそちらに心が奪われてしまいます。料理に対する哲学を兄弟で共有しているからこその、オリジナルで個性的で美味なスイーツの数々です。
ドバイに来たからには必ず訪れたい、〈アトランティス・ザ・ロイヤル〉の本格アラブ式アフタヌーンティー。
椰子の木の形をした人工島のパームジュメイラは、ドバイの観光名所のひとつ。その先端にある5つ星ホテル〈アトランティス・ザ・パーム〉は最高級リゾートホテルとして有名です。その隣に、2023年2月にオープンしたのが、同じ系列の〈アトランティス・ザ・ロイヤル〉。こちらも5つ星の超高級ホテルですが、そこのロイヤルティールームで体験できるのが〈エミラティ・アフタヌーンティ(440AED)〉。エミラティというのは、アラブ首長国連邦の人という意味。20種類位以上のお茶から好きなものをセレクトし、本物の中東スイーツと一緒に味わうことができます。
「〈エミラティ・アフタヌーンティ〉にはセイボリーやサンドイッチなどは入れず、中東菓子だけで構成しています。全部甘いものなので、焼いたり揚げたり蒸したりといろいろな調理方法を駆使し、甘さも控えめにして飽きが来ないよう工夫しています。もちろんすべてここで手作りですよ」と、エグゼクティブ・ペストリーシェフのクリストフ・デヴォイユさん。