「群を抜く存在になった」“世界戦3連続KO”中谷潤人の次の相手は? 元世界王者・飯田覚士が語る井上尚弥との“決定的な違い”「まだ機は熟していない」
圧巻のKO劇ーー次戦の相手は?
「ああいうふうにフルスイングしたパンチでも起き上がってきたペッチ選手が立ち向かってきたら多少なりともひるむとか、ちょっと様子を見るとかでもおかしくない。でも中谷選手はまったく動じなかった。同じように攻め続けて、フィニッシュまで持っていくことができる。この点は井上尚弥選手とも共通する部分。(日本人選手で独占している)バンタム級のチャンピオンのなかで頭一つ抜けていましたけど、この勝ちっぷりによって群を抜く存在になったと言えるでしょうね」 これでバンタム級に上げて世界戦3戦連続のKO勝利。ボディーショット1発で終わらせた前回のビンセント・アストロラビオ戦に引けを取らない圧巻のKO劇であった。 次戦は井上拓真との王座統一戦が有力視されていたものの、13日のメーンで井上が堤聖也に0-3判定で敗れてWBA王座から陥落。中谷は試合後、リング上のインタビューで「チャンピオン、誰でも。Who is next? っていう感じです」と統一戦を希望したが、先行きは不透明な状況だと言える。
井上尚弥との対戦「まだ機は熟していない」
中谷の目標はあくまでパウンド・フォー・パウンド(体重差がない仮定での最強ランキング)のトップにのぼり詰めていくこと。ならば階級を上げて、憧れの存在でもある4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥との対戦実現に向けて動き出していく可能性もないとは言い切れない。モンスターとネクストモンスターの邂逅は、ボクシングファンが期待する夢のカードでもある。しかしながら飯田氏は「お互いに一番いいタイミングで戦うとしたら、まだ機は熟していない」と述べる。 その理由をこう説明する。 「尚弥選手はバンタム級で戦っていくなかで(体が)ギリギリまでいっぱいいっぱいになったことでスーパーバンタム級に上げています。だからすぐに上の階級でも順応できた。既に今はだいぶフェザー級に近づいている段階だと見ています。一方、中谷選手はもう減量がきつくなっているかもしれないが、いっぱいいっぱいではない。きついけど、上げざるを得ないという状況ではないのだと考えると、戦うタイミングとしてはまだベストじゃないというのが僕の考えです。尚弥選手がフェザー級でとどまることになれば、長身の中谷選手にしてもそう時間が掛からないうちにフェザー級まで行くはず。上げざるを得ない状況でフェザー級まで持っていければ、そこで待ち受ける尚弥選手との戦いが最もふさわしいのではないでしょうか」
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