大阪マルビルの建て替えプロジェクトが始動 展望スペースやコンサートホールも
大和ハウス工業が、「大阪マルビル建替プロジェクト(仮称)」を本格始動する。リニューアルオープンは2030年を予定している。 【写真】新大阪マルビルのフロア構成図
大阪マルビルは、大阪府の超高層ビルの先駆けとして1976年に竣工。円筒形のユニークな形状から大阪のランドマーク的な存在として長らく親しまれてきた。しかし、50年近く経過したことによる建物や設備の老朽化や、周辺施設との競争力の低下が課題となり、2022年5月により質の高い商品やサービスを提供するために建替えることを決定。今年9月に地上部分の解体を完工した。 建替により、ビルの高さは約192mとなる予定。うめきた含む大阪駅周辺で最も高く、地上40階、地下4階の複合ビルを開発する。高層階から展望スペースやミュージアム、ホテル、イノベーションオフィス、コンサートホール、舞台、商業施設、駐車場などで構成され、高さ60mを超える建築物では国内最多の用途が複合する施設となる予定だという。またビルは、現在の大阪マルビルの形状を継承しつつ、単一の「マル」ではなく多重に積層する「マル」で表現。外装には窓ではなく高層ビルのために開発されたガラスの壁「ガラスカーテンウォール」を採用する。 今回の開発では、敷地内だけでなく地域の魅力や活力の向上に向けた整備を実施。半屋外の屋根下空間「ピロティ」を設け、そこから連続する周辺地域の歩行環境改善や修景なども検討する。地下には、四つ橋線「西梅田駅」に接続する地下通路を新設し改札口設置。周辺整備完了後は、まちの賑わい創出のためのエリアマネジメントにも取り組むという。 環境配慮の取り組みとしては、建物の遮断熱性能を向上させるとともに自然エネルギーや省エネ技術を採用することで「ZEB認証」の取得を目指すほか、CO2の固定化や森林資源循環などへの貢献のため木材利用も進め、非住宅建築物における木造や混構造、内外装の木質化などの取り組み「Future with Wood」の一環として内外装に木材の採用を計画している。