パブ勤めから介護職へ、変わりゆく在日フィリピン人たち #ニュースその後
ホステスたちの生きざまが「ご当地映画」に
2023年11月、『フィリピンパブ嬢の社会学』が映画化され、愛知県各地で上映された。実話をもとにした作品だけに、ネリーサさんたち「OG」の共感も呼んでいる。彼女たちが、フィリピン人にも日本人にも見てほしいと声をかけ合い、フィリピン料理店や食材店にポスターを貼り、Facebookで情報を拡散する。 「友達にも『あんたたち絶対に見なあかんよ!』って言ってるんです」 介護の職場の日本人も来てくれたそうだ。常連客を連れてくる現役のホステスもいる。これほど外国人客の多い映画というのもなかなかないかもしれない。 フィリピン人たちの口コミが大きな原動力になったのか、動員は5000人を突破、全国での公開も始まった。プロデューサーの三谷一夫さん(49)は言う。 「ご当地映画が全国に展開していくのは珍しいし、成功例だと思います」 映画にはエキストラとしてネリーサさんとベリンダさんも出演している。 「私たちのことをもっと知ってほしくて、出ようと思ったんです」(ベリンダさん) 夜の街というと、眉をひそめる人も多いだろう。しかし「歓楽」はいつの時代も必要とされてきたし、そのかなりの部分をフィリピン人女性が担ってきた。そしていまは介護など人手不足の分野を支える。彼女たちは昼も夜も、そして時代が変わっても、日本人の面倒を見続けてきた存在でもあるのだ。