歌舞伎町で遊び、デビューで大ヒット連発、6年間干されるも再ブレーク――SAMとDJ KOOが振り返る青春時代とTRFの30年 #ニュースその後
TRFは昨年デビュー30周年を迎え、今年2月には25年ぶりの日本武道館ライブも成功させた。「小室ファミリー」として時代を席巻した1990年代、グループ活動休止とソロ活動期を経た2000年代、ダンスエクササイズで再び世に存在感を示した2010年代……。「えたいの知れないDJを小室さんはそばに置いてくれた」(DJ KOO)、など、TRFの秘話を語ってくれたのは、二人が10代を過ごした新宿・歌舞伎町。還暦を超えた同い年の二人が、これまでの軌跡を振り返る。(取材・文:山野井春絵/撮影:佐々木康太/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
10代の青春を捧げた歌舞伎町
街へ出た途端、通りかかった人たちから歓声が上がった。DJ KOOのド派手な衣装、SAMの華やかな存在感。どうしてもオーラは隠しきれない。 ともに62歳のDJ KOOとSAM。10代の多感な時期を、この歌舞伎町で過ごした。ディスコブームの絶頂期。中高生が昼間にディスコで遊んでいた、ある意味おおらかな時代だ。 DJ KOO「当時ディスコといえば六本木か歌舞伎町。『SAMっていううまいダンサーがいるよ』っていうのは当時から聞いていて。名前だけは知ってました」 SAM「歌舞伎町の時は知り合いじゃなかったね、KOOちゃんが見習いDJやってたサーファーディスコにはよく行ってたけど。自分は高校1年生から歌舞伎町に来てて、高3の時に『ミッキーマウス』っていうダンスチームをつくったんです。『NEWYORK NEWYORK』っていうディスコがあって、自分たちの根城にしたくて、オープンから通い詰め、常連になろうと頑張ってましたね」 DJ KOO「ほんと昭和だよね。『20歳過ぎたらもうディスコは卒業』みたいな感じで。今のカラオケの店舗ぐらい、東亜会館、コマ劇場とか、歌舞伎町じゅうのビルにディスコが入ってた。何曜日はどこが何で盛り上がってるとか、うわさが広がってて」 SAM「ふつうに中学生もいたよね。何の規制もなかった。当時はネットもないから、口コミとチラシを頼りに情報を集めて。もう酒飲んでる子も多かったけど(笑)、僕は飲まなかったですね。午後5時にディスコに入って、ひたすら踊って。バイキングがあったから、腹が減ったらそれで済ます。カラカラになったピラフとか。ディスコで寝て、ディスコで食べて、また寝て。朝になったら西武新宿の駅の目の前にあった『北欧』っていう喫茶店へみんなで行って、時間を潰す。で、学校へ行く(笑)。そういう生活でした」