ドーピング騒動を乗り越え4階級制覇王者の井岡一翔が9.1大田区総合体育館でV3戦…「刺激を受けた東京五輪の熱狂を再現!」
プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、志成)が9月1日に東京・大田区総合体育館で元ミニマム級の2団体統一王者で同級2位のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(28、メキシコ)と指名試合を行うことが10日、発表された。大晦日の元3階級制覇王者、田中恒成(26、畑中)にTKO勝利した試合後に起きたドーピング問題に巻き込まれて以来のV3戦。井岡はどんな心境でリングに上がるのか?
「望まない試合であろうが王者として次へ進む」
あのドーピング騒動以来、9か月ぶりの試合が決定した。 「まだ新型コロナ禍が収まらず何をするにも難しい状況の中で9月に試合が決まったことを嬉しく思う」 統一戦を望んできた井岡にとっては、100%ウェルカムの試合ではない。だが、ターゲットにするWBC、WBA同級スーパー王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)は、ローマン・ゴンサレス(帝拳、ニカラグア)とのダイレクトリマッチが決まり、WBCは、エストラーダをフランチャイズ王者とした上で、指名挑戦権のある元WBC王者シーサケット・ソールンビサイ(タイ)と元WBC王者のカルロス・クアドラス(帝拳、メキシコ)に正規王座決定戦を戦わせることを決定した。さらに、この2試合の勝者が対戦するプランまで決まっており、井岡に順番が回ってくるのは、まだ先。もう一人のIBF王者、ジョルウィン・アンカハス(フィリピン)も、PBCとプロモーションサイドが、新型コロナ禍における井岡との統一戦に興行メリットを感じておらず交渉は進んでいない。 「統一戦で世界的に注目を浴びる試合をしたいというのが一番の気持ちだが、マッチメイクは簡単ではないし、コロナ禍でなかなかやりたい時期に試合もできない。相手が誰であろうと望まない試合であろうとチャンピオンとして指名試合を受けて次に進みたい」 “大人の納得”と、ベルト死守の“王者の使命感”。それが井岡のこの試合のモチベーションだ。 刺激もあった。東京五輪である。17日間、連日「他のスポーツを見るが好きなので、今日は何の競技があるのかな」と楽しみにしながらテレビ観戦した。ボクシングはもちろん、金メダルを獲得した野球や柔道、卓球の勝者だけでなく、メダルに届かなかったサッカーなど敗者の姿に「考えさせられるものがあった」という。