Webライター未経験から6ヶ月で30万円!無職になった50代飲食店員の挑戦
近年、ネットを使った在宅ワークのなかでも、目指す人が多く人気のあるWebライター。日本人であれば当たり前に使える日本語で文章を書くことを仕事とするこの職業は、誰でも稼ぎやすい仕事として人気があります。 【画像で確認】小学校教員からWebライターに!1年間の「収入推移」どう変わった? しかし、なんの経験もない50代や60代といった高年齢の方のなかには、自分にはムリと感じている人もいるのではないでしょうか? けれども、最近は高年齢からWebライターを目指す人も多く、なかにはフリーライターとして活躍している人もいるんです。 今回は、飲食店勤務というまったく門外漢の世界から、コロナ禍で無職になったのをきっかけにWebライターをめざし、6ヶ月で30万円という収入を達成したサケサカさん(@sakesaka_teke)の経験を紹介します。 * * * 私は、30年近く飲食業生活に身をおいていましたが、コロナ禍による1回目の緊急事態宣言をきっかけに、当時勤めていた店を急に解雇となり無職になってしまいました。 しかし、お恥ずかしい話、それまで貯金などまるでしてこなかった私は、なんとかしてまともな仕事に就かなければ生活できません。けれども、緊急事態宣言の発令という状況下では、飲食業界で転職するのは現実的ではありませんでした。 そこで、私が選んだのがWebライターという仕事で、6ヶ月で30万円の月収を稼げるようになるという目標を立てたのです。未経験から6ヶ月で月収30万円。これは、それなりの経験がある人であれば十分可能な数字だとは思います。 けれども、飲食業というまるっきりライティングとは縁のない世界から、50代でWebライターとして生活を成り立たせるのは、簡単ではありませんでした。実際、1ヶ月間朝から晩まで働いても、初月の売上げがわずか1万9千だったときには、正直途方にくれたものです。 それでも私は、目標が達成できなければ生活が詰んでしまう!というプレッシャーを糧にして、一歩ずつ前に進み続けたのです。今回は、そのときにやった3つのことをご紹介します。 ■1.クラウドソーシングでひたすら仕事に応募 Webライターは、会社に所属する人以外はすべて自分で仕事を獲得しなければなりません。一見華やかにみえるフリーランスという働き方ですが、このあたりはシビアです。 そして、仕事を探すフリーランスと仕事を頼みたい企業をマッチングするのが、「クラウドソーシング」というサービスです。 Webライター初心者は、このクラウドソーシングで仕事をはじめることが多く、私もその一人でした。 クラウドソーシングのホームページには、初心者でも応募できる仕事の募集が、それこそ山のように掲載されています。そんな募集に応募文を送り、場合によっては1本試しに記事を書くテストを得て認められれば仕事の獲得にいたります。 とはいえ、そんな簡単に仕事は取れません。特にWebライターを志す人が増えた現在では、競争率も高くいくら応募しても全然仕事が獲得できないなんて日常茶飯事です。 かくいう私も、最初のころはまったく受かりませんでした。「この仕事なら自分の知識がいかせるだろう」と思って応募しても、不合格の通知ばかり。 けれども、それでへこたれて応募をやめてしまっては、それこそ絶対に仕事なんて獲得できません。だから私は、どれだけ不合格通知を受け取ろうとも、あきらめずにひたすら応募を続けました。当時は、毎日最低でも2~3件、多いときは10件ほども応募し続けていたのを覚えています。 その結果、少しずつ仕事が獲得できるようになり、だんだんとその数も増え、気がつけば収入も増えていったのです。 ちなみに、はじめて獲得した仕事は、コロナ禍という当時の世相を反映した「自宅でたのしむ趣味」というテーマの記事でした。そこで飲食業という前職と趣味のキャンプを組み合わせた「自宅キッチンでも作れるダッチオーブン(キャンプでよく使われる鉄鍋)レシピ」という提案をして、それが見事受かったのです。1文字0.2円、500文字の記事を書いても100円にしかならない仕事でしたが、私にとっては大きな一歩でした。 ■生活を切り詰めすべての時間を費やす 少しずつ仕事が獲得できるようになると、今度は実際に記事を書いて報酬をもらうわけですが、ここでまた大きな壁が立ちはだかりました。 というのも、私はこれまでWebの記事なんてまともに書いたことはありません。飲食業時代にお店の日常を紹介するブログ程度は書いたことはありましたが、経験なんてその程度のものです。悪戦苦闘しながら書いてはみたのですが、最初のころは500文字程度の記事を書くのにまる1日以上かかってしまいました。 書籍やYouTubeなどでWeb記事の書き方を学んではみたものの、筆はまるで進まず、時間ばかりが過ぎていきます。 それでも、最初のころは使える時間はすべて使い、ひたすら「記事を書く」というはじめての仕事に立ち向かっていきました。 さらに、好きなお酒を飲むのもひかえ、外に出かけない分お金を使う機会も減ったのもあり、できるかぎり生活費を切り詰めていったのです。 誰にとっても1日は24時間ですが、お金もなく無職の私は家にいるしかありませんので、それこそ毎日寝ている時間と風呂に入っている時間以外のほとんどをパソコンの前で過ごしました。1日およそ14~15時間。それも毎日。仕事を探して応募する時間や記事を書き、それがないときは自分でブログを作ってその記事を書く(今思えばそれがいい練習になりました)など、やらなければならないことは山のようにあったからです。 6ヶ月で30万円稼ぎ、生活が安定するまでの辛抱と考え、地味な生活に耐えつつ使える時間はすべて使って記事を書き続ける。当たり前のことかもしれませんが、そんな地道な繰り返しを続けるうちに、少しずつ道はひらけていったのです。 ■使える縁はすべて使う クラウドソーシングを使って少しずつ仕事が取れるようになっていった私ですが、それでも目標とする月収30万円はほど遠い状況でした。 そこで私は、もっと幅広く仕事を受けられるようにならなければならないと考えるようになっていたのです。ようは営業活動ですね。 まずはWebライターとしての名刺を作り、それ以降出会う人には積極的に配るようにしました。さらに、X(当時はTwitter)やInstagramなどのSNSでもWebライターをはじめたことを書く。 その結果、SNSでそのことを読んだ友人から仕事をもらったり、たまたま友人の飲み屋さんにいったときに隣り合わせになった人に名刺を配ったことがきっかけで、のちに仕事を発注してもらったりできるようになっていったのです。 こうしたタナボタのような幸運に後押しされて仕事が獲得できたのは、使える縁はすべて使って、一見するとムダなことに思える小さな行動を積み重ねてきたからでしょう。 そして、その結果私の収入は少しずつ増えはじめ、気がつけば6ヶ月が経ったころには、当初の目標だった月収30万円の壁を越えることができるようになっていたのです。 * * * 50代以上の人が、まったくの未経験でWebライターをこころざし成功を収める。それは、口でいうほど簡単ではありません。サケサカさんのように好きなことをひかえ、そこで生まれた時間はすべて使って努力を積み重ねることが必要です。 ときにはタナボタのように思える幸運も降ってくるのかもしれません。けれども、タナボタを得るには少なくとも棚のある壁際までは歩いていかなければならないのです。いくら成果を望んでいても、部屋の真ん中でじっとしているだけではタナボタなんてやってきません。 まずは小さなことでもいいから「動く」。そして、少しずつそれを積み上げる。それも、使える時間はすべて使うという覚悟をもって。そうすれば、きっと成果は出るはずです。ぜひあなたも、あきらめずにチャレンジしてみてくださいね! ▶プロフィール サケサカ(町田英伸) フリーランスWebライター。27年間の飲食業生活を経て、53歳でWebライターを志し見事独立を果たす。現在は派遣業とのダブルワークをこなしながら、同世代に向けて等身大の働き方を発信中。 文=YY