大逆転でオリンピック2連覇を果たした堀米雄斗!スケートボードの魅力が詰まった史上最高の大会「パリ2024オリンピック」スケートボード・男子ストリート種目
大会結果
1位 : 堀米 雄斗(日本)281.14pt 2位 : ジャガー・イートン(アメリカ合衆国)281.04pt 3位 : ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)279.38pt 4位 : 白井 空良(日本)278.12pt 5位 : リヒャルド・トゥリー(スロバキア)273.98pt 6位 : ケルビン・ホフラー(ブラジル)270.27pt 7位 : コルダーノ・ラッセル(カナダ)211.80pt 8位 : マティアス・デルオリオ(アルゼンチン)153.98pt
最後に
もはや今大会の説明は言葉が見当たらないとしか表現ができない。出し切れなかったライダーもいただろうがほぼ全員が自分達の持っている「スケートボード」をすべて出し切った結果だったように感じる。 一つだけ声を大にして言えるのは、今大会はこれまでのスケートボードの長い歴史の中で最も「スケートボード」らしく、最もハイレベルで、最もライダーも観ている方も楽しいコンペティションだったと振り返る。 これまでのストリートのコンペティションは出場ライダーも非常にナーバスでピリピリしている雰囲気が大半だったが、今回のオリンピックは最終トライを終え、勝ったライダー、負けたライダー、メダルを取れたライダー、取れなかったライダー、全員が笑顔だった。 そして2大会ぶりの有観客、スケートボード競技では初めて有観客での開催で、観客の声援が最高の大会となった大きな要因だったと言える。ライダーは当然スコアも気にしながら戦っていたとは思うが、とにかくどのライダーが凄いトリックを決めるとみんな笑顔で称えているように映った。この雰囲気が異次元の超人的な難易度のトリックが続出したことは紛れもない事実だったと筆者は強く感じた。 一時はパリオリンピック出場は絶望とまで言われた堀米だが、「1%でも可能性があるなら」と諦めずに挑み続けて最後の最後で出場権を獲得した。そこで掴んだ手応えそのままにパリオリンピック本番でも最後の最後で決め切りオリンピック連覇というスケートボードではまだ誰も成し得なかった偉業を達成したメンタルは、本人以外に説明はできない。後世に語り継がれるリビングレジェンドとなった。 これまでコンペティションではナーバスになる場面が多かったナイジャやジャガーも今大会のみんなのライディングに一緒に楽しみ、最後に堀米が決め自身が失敗した後も清々しい笑顔で堀米に対して「お前やっぱやべーな」のようなストリートでセッションしているかのような雰囲気で、これが本来のスケートボードの楽しさを表しているかのような光景だった。表彰式でもメダリスト3人はキッズのような笑顔とリアクションで本当に楽しそうだった。 内容の話があまり語れなかったが、今回のパリオリンピックスケートボードストリート男子は技術や順位ももちろんだが「スケートボード」の本質がすべて詰まった最高の大会だったと感じる。今後のスケートボードカルチャーも今以上に多様化し、もっと多くの人に好きになってもらえる。そんな可能性しか感じなかった。今後のスケートボードコンペティションシーンも今以上に魅力的に良くなっていくだろう。 Text by CURRENT
FINEPLAY
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