真の「日本一ビキニ選手」決定戦で5連覇の安井友梨 ビキニで世界に勝つ「100年」の壁を超えるため奮闘 12月に東京で「世界一」を狙う
10月10日~13日(現地時間)にスペイン・マドリードで開催された『IFBBアーノルドクラシックヨーロッパ2024』。この大会で、安井友梨(やすい・ゆり/40)選手がフィットモデル172㎝以下級で2位、ビキニ172㎝以下級で5位の成績を残した。 【写真】ビキニ女王・安井友梨選手の美しく華麗なビキニボディ ここでは、10月6日に開催された『JBBF グランドチャンピオンシップス2024』で見事5連覇を達成した安井友梨選手が大会後に語った、今年12月に日本で開催される『IFBB世界女子選手権』への想いを公開する。
この日、安井友梨(やすい・ゆり/40)選手は二つの使命を胸にステージ上がった。10月6日に大阪で開催されたJBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2024。これはメンズフィジーク、ビキニフィットネス、ボディフィットネスの各階級のトップ選手たちが一堂に会し真の日本一を決める大会である。日本のビキニフィットネスを牽引してきた絶対女王、安井選手は同大会で5連覇の快挙を達成。しかし、彼女が目指していたものは、優勝の二文字だけではなかった。 「今日は、ご覧になった方々に『今年の安井は世界一になれそうだ』と、そう思っていただけるステージにしたいと思っていました」 2015年、同年に日本チャンピオンになったばかりの安井選手は世界選手権に初挑戦し、惨敗を喫した。当時、国内で「ビキニフィットネス」はまだまだマイナー競技の域を出ておらず、当然のことながら競技人口も少なく、日本人が世界で勝てるようになるには遺伝子レベルで100年かかるとも言われたものだった。 この9年前の敗北に、現在の安井選手の強さの源流がある。世界で勝つために必要なものとは何か。「100年」の壁を超えるためには何が必要か。2016年は世界選手権で11位。17年と18年は13位と足踏みするも、2019年にはアジア選手権で優勝。2021年と22年は世界選手権164㎝以上35-39歳級で2位。2023年は別カテゴリーであるフィットモデルでついに世界一に。国内では敵なしの安井選手であるが、海外の戦績に目を向けるとそこには悔し涙の轍があり、険しい道のりを這い上がってきたことが理解できる。 そして2024年、12月に東京で世界女子選手権大会が開催される。日本で世界選手権が行われるのは実に38年ぶりのこと。安井選手が「世界一」とともに課している、もう一つの使命。それが「ビキニフィットネス」という競技の普及である。 「今日のグランドチャンピオンシップスの舞台を観た方が、12月の世界選手権も観にいこう、応援にいこうと、そう感じていただける魅力的なステージにしなければいけないという覚悟と決意を持って舞台に立ちました。『日本人だからできない』のではなく『日本人だからできるんだ』と。そう思っていただけるステージにしたかったです」 この大会の二日後にはアーノルドクラシックヨーロッパに出場するためスペインに出発。帰国後にはすぐにIFBB世界フィットモデル選手権が行われるリトアニアに向かう。安井選手は「今日はこれから帰ってすぐに脚のトレーニングです」と言い残し、大阪の会場を後にした。選ばれし者の旅は続く。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介