「気候変動対策をしなければ事業が終わる」オランダ金融企業の決心とは
通常の事業チームがサステナビリティを推進する
もう一つ興味深いのは、INGのサステナビリティの推進体制です。日本では近年、サステナビリティ部署が肥大化していくケースが多くみられますが、INGのサステナビリティ部署自体は約20名ほどの小規模な組織です。 このチームは、自分たちだけでサステナビリティ経営を実行するのではなく、各事業部が持続可能な活動を進めるための社内コンサルタントとして、データの提供や分析、方針策定をサポートします。 さらに、各部署に配置されている「サステナビリティ・プロジェクトリーダー」が、サステナビリティ部門と事業部を橋渡ししながら、事業変革を促進する役割を果たしています。 事業部が主体的にサステナビリティに取り組みながら、会社全体として効率的に気候変動対策を進めていくためには、こうした組織体制が参考になるでしょう。(対談に続く) 後編では、山口周との対談でINGの取り組みについてさらに考察を深める。異なる業界の人たちと手を組む必要のあるサステナビリティにおいて、INGは「プロデューサーシップ」を発揮していると山口は指摘する。 日本においてもその存在が強く求められる繋ぎ手(プロデューサー)の役割とは?
Yuki Isogai