自民総裁選「岸田・石破・菅」3氏の政策の違いは? <外交・安保>
安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選(9月14日投開票)。立候補を表明している同党の岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、菅義偉(よしひで)官房長官の主要課題に対するスタンスはどう違うのでしょうか? 外交・安全保障政策について、各候補が立候補を表明した記者会見での発言を基に整理しました。 【動画】自民総裁選 石破氏・菅氏・岸田氏が所信発表演説会
【岸田氏】ソフトパワー外交を展開
「『ソフトパワー外交』というものをしっかり進めていきたい」「基本的な価値観を共有する国々と地球規模の課題に取り組んでいくことで日本の存在感を示していく」 岸田氏は、自身の外交方針についてこう語りました。岸田氏は安倍政権下で外務相を、戦後で2番目に長い4年7か月余り務めました。安倍政権の外交については、毎年のように首相が変わっていた時代に比べ、「この7年8か月、日本の国際的な存在感、発言力は格段に高まった」と評価。一方で、現在の国際情勢は、米中対立の深刻化や保護主義、自国第一主義の台頭によって「変化している」と指摘し、資源もなく、人口減少時代に突入した日本が「どうやって存在感を示していくのか。真剣に考えていかなければならない」と訴えました。 自身が外務相時代に締結した慰安婦問題の日韓合意には「大変深い思いがある」。しかし「今の日韓関係は大変残念な状況にある。(韓国は)まずは国際法を守らなければいけない。国際的な約束はしっかり守らなければならない。こういった原則について、韓国の皆さんにもしっかり考えてもらい、我々もともに考えていく。こうした努力をしなければ、なかなか今の状況は変えられないのではないか」と述べました。 また、こうした2国間関係を考える場合に「厳しい球は、前からより後ろからの方が飛んでくる」とも述べ、「両国の国民の感情をしっかりとコントロールし、その上で冷静な外交の対話を行っていく環境整備も大事ではないか」との見方を示しました。 平和、そして核軍縮については「アジアの安全保障にも深く関わることだが、私にとって、政治家としてのライフワーク」だと強調。「被爆地・広島から出た初めての外務大臣という立場であった私としても、在任中から核軍縮について強い関心を持ち、努力をしてきた。核兵器のない世界を目指すという大きな方向性に向けてしっかりと取り組んでいきたい」と語りました。