「さすがに高い」「美味しいけど次はないかな」との声も…。100円台のRTD市場に殴り込んだ1缶298円のアサヒビール「未来のレモンサワー」。安値競争から逃れられる?
■SNS上では「ディストピア感」が話題に もちろん、それ以上の満足度を得られるのであれば、未来のレモンサワーの定番化もなくはないだろう。同商品が技術を応用したアサヒスーパードライ 生ジョッキ缶と比較して考えてみよう。 アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶は従来のビールよりもほんの少し量が少ないとはいえ340mlで231円、500mlで302円と、同社が販売しているビールと値段はほとんど同じだ。この値段設定だからこそ、一過性のものではなく、今もしっかり定番商品として生き残っているのだ。
また、未来のレモンサワーは人気が出た当初、その見た目と名前のせいで「ディストピアの娯楽」とSNS上で揶揄されてしまった。というのも、缶の中に薄くスライスしたレモンが入っていることが逆に、SF映画などでよく見かける、文明が崩壊した近未来に配給される、見栄えの悪い無機質なワンプレートに付属する飲み物に見えるというのだ。しかも「未来」という名前もそこに拍車をかけている。 とはいえ、味は保証されているため不満の声は出ていない。一方でこのようなネタ消費をされてしまうと、定番化から遠のく危険性がある。近場のスーパーやコンビニで見かけたら試しに買ってみて、「ディストピア」と絡めてX(旧・ツイッター)に投稿する……。よほど、その味に魅了されなければ、二度目の購入はないだろう。
ただ、これに関しては改良の余地がある。というのも、アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶は何度かリニューアルされている。基本は蓋を開けたときの泡立ちの改良だが、そのおかげか成分は変わっていないものの、ずいぶんと店の生ビールに近づいた。 筆者自身、販売当初は「なんだこれ? おいしくない」と思ってしまい、その後は購入しなかったのだが、1度目のリニューアルを機に再度飲んだところ、「ここまで変わるのか……」と驚愕してしまった(残念ながら筆者は2022年を最後に飲めていないため、現在の味の分析はできていない。理由は大量飲酒で「γ-GTP 2420」を記録してしまいドクターストップがかかったからだ)。