ロシアが開発中の“最新ステルス機”墜落機体を解析した結果に衝撃「制裁しているにもかかわらず」
S-70製造にも欠かせない西側部品
ウクライナ国防省情報総局は2024年11月8日、自国領内に墜落したロシアのステルス無人戦闘航空システム(ドローン)S-70「オホートニク」の残骸の調査結果を発表しました。 【残骸でも手がかりはある…】これが、確認された西側パーツです(写真) この残骸は10月5日に、何らかの理由によって制御を失い暴走状態となったため、随伴する戦闘機によって撃墜され、ウクライナ領内のドネツク州チャシウ・ヤル方面に墜落したとされる機体です。 S-70は、ステルス性能を備えたスホーイ設計局製の全翼機タイプの大型無人機で、同じくスホーイ製の最新鋭有人戦闘機Su-57との共同任務を行うために開発されました。 今回の調査では、S-70の精密部品の出どころが調べられたようで、情報総局は「制裁中にもかかわらず、ロシアがこの兵器を製造するために、西側企業の部品を使用していた」と発表しました。 なお、部品に使用されていたのはアメリカのアナログ・デバイセズ、テキサス・インスツルメンツ、AMD、ドイツのインフィニオンテクノロジーズ、スイスのSTマイクロエレクトロニクスなどだったそうです。 今回の調査で、ロシアが兵器開発で、西側部品にいまだに依存していることが明らかとなりました。なお、日本製のものに関しても、東芝やソニー、村田製作所などが製造した精密部品が、ロシアのミサイルや無人航空機などから確認されたことがあります。 これらの部品は、10年以上前に製造したものも含まれていますが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年2月以降のものも多く、第三国経由でロシアが入手したものなどもあるようです。西側部品がロシア兵器から発見される度、ウクライナ政府は制裁と輸出規制の強化を呼び掛けています。
乗りものニュース編集部