ものが片付かない家には〈5つの収納〉を充実。洗濯が干しづらい家には衣類乾燥機を導入。シニア世代の「我慢しない」空間づくり
住み心地の悪さを「今さら仕方ない」と諦めていませんか? 住宅環境は健康寿命にも大きく影響するといいます。一級建築士の水越美枝子さんが提案する、人生後半を安心・安全に過ごせる家作りとは(構成◎上田恵子 イラスト◎ひしだようこ) 【表】5つの収納に入れるものは…? * * * * * * * ◆【施工事例・空き部屋がある家のケース】 →趣味の部屋や納戸にして有効活用 ●空いている部屋をくつろぎの空間に 子どもたちが独立し、部屋が余っているという方、空き部屋のままにしておくのはもったいないので、この際、有効活用してみませんか? たとえば趣味の部屋。夫の書斎はあっても妻の部屋はないお宅は多いはず。不要な家具を処分して、座り心地のいい一人がけの椅子を置いてみるのはどうでしょう。誰にも邪魔されず、のんびり韓国ドラマを観るもよし、静かに本を読むもよし。 棚を置いて、お気に入りの器や、これまでに集めたコレクションを飾り、ギャラリーにするのもおすすめです。壁の一部に色や柄の違うアクセントクロスを貼ると、雰囲気がガラッと変わります。夫婦の寝室を分けてそれぞれが一部屋ずつ使うのも、静かに自分のペースで眠れていいですね。 ほかに、空いた部屋を旅行用のスーツケースや季節家電など、使っていない大物をしまう納戸として活用するのも一つです。
◆【施工事例・洗濯物が干しづらい家のケース】 →乾燥機で洗濯動線をゼロに ●よく洗うものを洗濯機周りに置く 朝、洗濯機をまわし、重い洗濯物をカゴに入れて庭や2階のベランダの干し場まで運ぶ。乾いたら取り込んでリビングでたたみ、それぞれのクローゼットやタンスの引き出しにしまっていく。この一連の作業に負担を感じる人は少なくありません。 私が解決策としてよく提案しているのは、衣類乾燥機やドラム式洗濯乾燥機の導入です。「洗濯物はお日さまの下で干したい」という人もいるでしょうが、乾燥機があれば天気を気にする必要がないというメリットが。 ガス乾燥機だと電気よりも短時間で乾き、タオルなどは外干しよりもふんわりと仕上がります。何より、大規模なリフォームに比べてもよほど費用が抑えられるのです。 夫婦2人暮らしだと、それほどたくさんの洗濯物はありません。よく洗うものの代表格であるタオルや下着、パジャマなどを洗濯機周りの引き出しに入れるようにすれば、動線はほぼゼロです。 おしゃれ着など、どうしても乾燥機にかけたくないものは、クローゼットのある部屋にポールを置き、ハンガーにかけて干す。乾いたらそのままクローゼットにかければ、楽に片づけられます。