“裏金”落選「丸川珠代氏」はなぜここまで嫌われるのか…“女子アナ時代”を知らない若者からも批判が飛び交う深刻な理由
涙が逆効果だった理由
丸川氏は2008年6月、同じ自民党の衆議院議員だった大塚拓氏と結婚した。大塚家は現存する日本最古のシューズメーカーと言われる大塚製靴の創業家だ。大塚氏の学歴を見ると、小学校から大学まで一貫して慶應。筋金入りのお坊ちゃんであり、いわゆる上級国民の一人と言っていいだろう。 「国会議員同士の夫婦として、丸川さんと大塚さんは有名でした。上級国民の妻である丸川さんが今回の衆院選で涙ながらに苦境を訴え、元首相の妻という安倍昭恵さんの応援を得て当選をお願いしても、それは逆効果でした。日本全国の世論も、東京7区の有権者も、『そんなに華麗な人脈をお持ちなら、自分の力で当選すればいいのでは?』と冷淡になったのはよく理解できます。物価高に苦しむ庶民が1票を投じ、丸川さんのような上級国民・タレント議員を落選させたという達成感を得た人が多かった。だからこそ、丸川さんの落選に大喜びした人が続出したのではないでしょうか」(同・井上氏) タレント議員の歴史は古く、一説によると1946年、戦後初の衆議院選挙で当選した、演歌歌手の石田一松氏が当選したのがタレント議員の第1号とされている。
タレント議員が減少する可能性
ちなみに石田氏は苦学して法政大学を卒業。戦前から歌う内容は軍部や一部の政治家、社会の矛盾を風刺するものが多く、権力に抵抗する芸風は当局に睨まれていたという。 「マスメディア社会の発達により、芸能人が国会議員となることで、芸能界も政界も共に潤うという、まさにWin-Winの関係が成立した時代が存在したことは事実です。しかし現在はタレント議員に対する世論の目は厳しくなる一方です。芸能人が故郷に帰り、小さな町の地方議員として地元のために尽力するのなら美談です。一方、自分の知名度を利用して安易に国政に挑戦して当選してしまうと、常に炎上のリスクを抱え込むことになってしまいます。『これでは割が合わない』と考える事務所や芸能人は増えるはずで、長期的に見ればタレント議員の数はどんどん減少していくのではないでしょうか」(同・井上氏) デイリー新潮編集部
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