“裏金”落選「丸川珠代氏」はなぜここまで嫌われるのか…“女子アナ時代”を知らない若者からも批判が飛び交う深刻な理由
2000年代から批判されていた丸川氏
10月27日の投票日、午後8時に開票が始まると、大手メディアは一斉に「丸川氏落選」の記事を配信し、テレビ局も“0秒落選”の形で伝えた。丸川氏は2010年、野党議員として当時の与党議員に「愚か者」とヤジを飛ばし、注目を集めた。それが今回は「愚か者は丸川氏だった」と揶揄する投稿がXに殺到した。 それにしても数ある裏金議員の中でも、丸川氏の落選に対する関心はずば抜けて高い。ネット上では丸川氏の落選に溜飲を下げたと思われる投稿がひっきりなしに表示される。高い知名度を誇り、元女性アナウンサーの政治家として注目され、国民の人気を集めていたと考えられていたはずの丸川氏は、どうしてこれほどまでに嫌われる存在になってしまったのだろうか。 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「可視化されていなかっただけで、丸川さんが2007年に参院選に出馬した時から、苦々しく思っていた人は多かったと考えられます」と言う。 「ずいぶんと前から、ネット上では世襲議員とタレント議員は批判の対象になってきました。政治家は政治のプロであるべきという大前提があり、その上で親の地盤と看板を楽に受け継ぐ世襲議員や、本来は政治とは無関係であるべき知名度を選挙に利用するタレント議員は、本人の能力とは関係なく選挙で有利な立場を得ます。これでは選挙の公正性が歪められてしまうというわけです」(同・井上氏)
若い有権者は「丸川って何者?」
井上氏によると、タレント議員に対しては「芸能人の“人生すごろく”において、最終ゴールが国会議員というのは明らかにおかしいし、その権勢や収入で上級国民と化すことは完全に間違っている」との批判が根強かったという。 あくまでもタレント議員が批判の対象だから与野党は問わない。自民党なら三原じゅん子氏や今井絵理子氏、生稲晃子氏が批判の対象になってきた。野党なら塩村文夏氏や中条きよし氏の名前が浮かぶ。 「丸川さんはテレ朝のアナウンサーとして報道番組も担当してきました。自民党を批判するニュースの原稿も読んだことがあるはずです。にもかかわらず、嬉々として自民党の国会議員に“転職”。これはおかしいと言う人は当時から、かなりの数に達していたのです。『愚か者』のヤジが話題になった時も、喜んだ人たちだけが可視化されましたが、苦々しく思っていた人も同じぐらいいたと考えられます。そして裏金事件で丸川さんの悪質性が明らかになると、今度は20代や30代の有権者が『なぜ、あの丸川という議員は態度がデカいんだ?』と眉をひそめました。彼らは丸川さんが元アナウンサーだと知らないのです。丸川さんに対する批判は、そもそもタレント議員に対する異議申し立てが源流にありました。それに裏金議員という点が最近になって新たに加わり、老若男女の誰もが丸川さんを批判する状況が生まれたのです」(同・井上氏)