CESで見つけたおもしろガジェット10選
Eli Health のホルモン測定キット「Hormometer」
健康モニタリングの分野は、すでに歩数を数えたり心拍数を記録したりする段階をはるか越えている。Eli Healthの「Hormometer」は、コルチゾールとプロゲステロンの数値を簡単に自宅で測定できるキットだ。使い方は簡単だ。試験紙を開封し、唾液を吸収する部分を1分間口に含む。試験紙に搭載されたバイオアッセイ(生物検定の技術)がホルモンと反応し、試薬と結合して色付きの線を表示する。次にスマートフォンのアプリで線をスキャンすると結果が表示される。この試験の精度は、米食品医薬品局(FDA)承認の標準テストと比較して97%に達するとEli Healthは説明している。 Eli Healthはまず、代謝や免疫機能などに影響を与えるストレスホルモンの「コルチゾール」と、女性の生殖機能や全体的な健康のモニタリングに役立つ「プロゲステロン」の測定から始める予定である。ベータ版は2025年1月に公開され、試験紙1枚あたりの価格は約8ドルとなる予定だ。
ユカイ工学の「猫舌フーフー」
いまやあらゆる用途に対応するロボットが存在する。東京のロボティクススタートアップ、ユカイ工学が発表した「猫舌フーフー」は、熱い食べ物や飲み物を人の代わりに冷ましてくれる持ち運び可能な猫型ロボットだ。「猫舌フーフー」はマグカップやボウルの縁に引っ掛け、特殊なアルゴリズムで制御された内部のファンが対象に風を送る。このアルゴリズムで風力に変化をもたせ、人が吹いているような自然な風を再現する仕組みとなっている。また、冷ましたいものに応じてモードを選択できる。 製品名の由来を説明すると、「猫舌」は熱い食べ物が苦手な人を表す日本語であり、「フーフー」は口で風を吹く擬音である。日本で2025年半ばに発売され、価格は約25ドルとなる見込みだ。
キーボードとテンキーを瞬時に切り替える「AutoKeybo」
近くを通るときに、AutoKeyboに目を奪われずにはいられなかった。左右に分割されたデザインのこのキーボードは、レイヤー構造となっている。手のわずかな動きで、右側のキーボードが本体に自動で収納され、下に隠れていたトラックパッドが現れるのだ。左側のキーボードが本体に収納されると、テンキーが現れる。このシステムは中央に搭載されたカメラを使って手の動きを検知し、機械学習アルゴリズムと組み合わせることで、トラックパッドとテンキーを出すタイミングを判断している。 このような機能を備えたキーボード、それもかなり大きいキーボードは一体何の役に立つのか? この製品は肩に障害がある人や、肩の負担を軽減したい人のために設計したものだと同社は説明している。分割キーボード自体は珍しくないが、キーボードを収納してテンキーやマウスを出す機能は特徴的だ。とはいえ、最大のセールスポイントは「手の移動」を減らすことにあるという。マウスに手を移動させてからキーボードに戻す際、キーの配置に慣れるまで数秒かかることがあるが、AutoKeyboならこの問題を効率的に解消できる。 なんて効率的なのだろう! ただし、残念ながら価格は600ドルと高めである。また、短時間ではあったが実際に試してみたところ、キーボードを確実に収納させるコツを掴むのが難しかった。慣れるのに少し時間が必要だ。何人もの人が挑戦していたが、うまく操作できていなかった。ほぼ完璧に操作方法を披露できたのは、発明者のクリスチャン・ライアン・レオナルドただひとりである。