ビジネス用語を使いこなす3歳児。育休を通じて妻子への愛が深まったパパ。心温まる“ほのぼの育児コミックエッセイ”5選【書評】
しおさん1歳 令和ギャル爆誕の道のり
前記作品の「よいたん」の妹である「しおさん」を描いた、『しおさん1歳 令和ギャル爆誕の道のり』。性格がまるで違う兄妹と、家族の日常を描いている。穏やかで慎重な兄・よいたん、そして元気いっぱいの令和ギャルの妹・しおさん。
兄妹の対照的な性格が作品のおもしろさを際立たせる。転んだときに悲しみに暮れるよいたんに対し、しおさんはすぐに立ち上がり、差し伸べた手に「いぇい!」とハイタッチをするパワフルギャルだ。いたずらもパワフルで両親は手を焼くものの、その無邪気な笑顔と愛嬌で家族をとりこにしてしまう。 日々成長する子どもたちのエピソードが心を温めてくれる。個性豊かな家族の日常が詰まった1冊である。
いつかのやさしさに、今日も救われてます るしこの子育て日記3
るしこさんの子育て日記シリーズ3作目である『いつかのやさしさに、今日も救われてます るしこの子育て日記3』。日常の子育てのおもしろエピソードや、周囲の温かさを描いた作品だ。
ジュニアくんに加え、新たに家族となった猫のテオくんとのエピソードも盛りだくさん。ジュニアくんの子どもらしくて愛らしい行動や、テオくんの天真爛漫な振る舞いに思わずほほが緩む。 また、本作はタイトルの通り「何気ない日常のやさしさ」に気づかせてくれる。ジュニアくんを抱っこして電車に乗っていると、我も我もと何人もの学生が電車で席を譲ってくれる。子どもが生まれる前は気づきにくかった「人の優しさ」に触れられるシーンがある。 忙しい毎日の中で見逃しがちな「やさしい出来事」に気づき、癒やしと元気をもらえる1冊だ。子育て中の人だけでなく、日常に疲れたすべての人にぜひ読んでほしい。
「どんなときでも味方だよ」って伝えたい! 親子のコミュニケーション、試行錯誤中!
『「どんなときでも味方だよ」って伝えたい! 親子のコミュニケーション、試行錯誤中!』(さざなみ/KADOKAWA)は、著者のさざなみさんが自身の育児経験をもとに描いたコミックエッセイである。“他の子と比べてしまう”という悩みは、経験がある人も多いのではないだろうか。
そしてさざなみさんが子どもと向き合う姿や考えには、気づきをもらえる。2歳になる長女が反射的に「ありがとう」と言う姿を見て、本当に感謝の意味を理解してほしいと対話を重ねるさざなみさん。また「褒めると泣く」長女に合わせた独自の褒め方を模索する姿が心に残る。 隣の母親との偶然のやりとりや、夜泣きで疲れたときに思わぬ優しさに触れるシーンは、多くのママが共感するだろう。ママ友との会話のような親しみやすさで、気づきと癒しをくれる作品だ。 疲れた心に潤いを与えてくれる、ほのぼの育児コミックエッセイ。きっと明日からの育児の活力になるだろう。 文=ネゴト / いなり