「余命1年」身障者4級への行政支援のありがたさ
■余命を延ばせるかもしれない… 医師の説得に加え、事前にネットで調べていた結果(全生存期間の中央値が23.8カ月でアベルマブ未使用の15.0カ月を大きく上回った)も把握していたので、翌週から第2弾のアベルマブ療法に切り替えることにした。 このまま順調にいったら、完治とまではいかないまでも進行を遅らせ、余命1年が2年になるかもしれない。そんな光明が差し込んできたかのようだ。 CT画像の結果は診察室を出てからすぐにLINEで妻と娘に伝えた。2人とも大喜びしてくれた。帰りに吉祥寺の魚屋に寄り、夜は鯛の清蒸や刺身の盛り合わせで喜びを分かち合った。
しかし、この小さな幸せがいつまでも続くことはなかった……。 ■身体障害者認定について 実は、4月に腎瘻造設手術を行ったことで、身体障害者と認定され、東京都から身体障害者手帳を交付された。身体障害者障害程度等級は4級、旅客鉄道株式会社旅客運賃減額は第2種となっている。 背中の2カ所に埋め込んだ管の周囲を毎日消毒し、テーピングをし直さなくてはならない。移動にあたっても尿を集荷しておく袋を常に身につけていなければならないなど、確かに日常生活における負担と不便はそれなりにある。
身障者4級になると、いろいろな支援や割引を受けることができる。腎瘻患者の場合は、ストーマ装具の用品給付(月額上限1万1400円)、心身障がい者福祉手当(月額4000円)。 交通機関の運賃割引は以下の通りだ。 JR:第2種障がい者が単独で利用する場合、片道100キロを超える区間は5割引 都営交通:本人利用10割引 民営バス:単独利用5割引 タクシー料金:10%割引 有料道路通行料:5割引
さらに都立公園の入園が無料になったりする。一気に福祉が身近になった気分だ。日常的に民間のバスをよく利用するので半額で乗れるのはありがたい。 ※支援割引のくだりの障害者の表記は、市の案内本の表記にあわせて「障がい者」としています。
山田 稔 :ジャーナリスト