台湾インディの新星・I’mdifficultが生み出す、新体験オルタナティブポップ。
東京・南青山のライブハウス『月見ル君想フ』の決して広いとは言えないステージ上にグランドピアノ。そのステージセットは2度目の来日を果たした台湾のオルタナティブ・ポップ・バンド、I’mdifficult(我是機車少女)のために特別に用意された。’18年に結成された彼らの繊細なR&Bサウンドへの評価は国内外で高く、Men I Trust台北公演のオープニング・アクトに抜擢されるなどの実績も彼らの躍進を物語る。 バンドの話はいつまでも尽きない! 本誌に加えて、Webでもスペシャルなコラムをどうぞ。/バンド特集・Web特別編!
バンドの世界観をキーボードで作り出すアーネスト・リンと、彼とは幼馴染でもある女性シンガーdotzioとのツイン・ボーカルが映し出す壊れやすい心模様は、言語を超えて魅力的だ。京都では幽体コミュニケーションズ、名古屋ではスティーブジャクソンがオープニングを務めたが、ツアー・ファイナルの東京では堂々のワンマン。彼らを心待ちにしていたファンの期待にも応えた最高の舞台を、「Kids」「Last Summer」など名曲群が飾り、大きな月がそれを見守っているようだった。
プロフィール
I’mdifficult 2018年結成のオルタナティヴポップバンド。凌元耕 Ernest Ling(ボーカル/キーボード)、dotzio(ボーカル/シンセサイザー)、王沂紳(ボーカル/ギター)、呂仲林(ドラム)の4人から構成。ネオソウルやR&Bをベースにしつつもそのオルタナティヴで実験性溢れる音楽センスが早々に話題となり、ついに昨年にはMen I Trustの台北公演の前座に抜擢されるなど、徐々に頭角を現しつつある台湾インディ期待のバンド。
インフォメーション
I’mdifficult(2023) セカンド・アルバム。「Last Summer」「Hard To Say」などライブでも人気のメランコリックでソウルフルな名曲が揃った充実の内容。大人びた感覚ではなく、あくまで青春のなかにあるメロウをとらえ、彼らの世界観を確立した。 photo: Naoto Date, text: Ryohei Matsunaga
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