大阪府・吉村知事が定例会見5月11日(全文3完)学と防衛を完全に分けるのは、国民にとってプラスなのか
学の部分を完全に切り離すのは難しい
そんなときに、やはり新しい技術、民間の技術とか学術の技術、そういったものは今まで防衛とは完全に切り離してきた、特に学術は切り離してきたわけですけれども、そういったところも軍、防衛で使えるものについては、やはり共同で進めていくと。それが日本を守ること、国民を守ることにもつながるし、そうしなければならないような国際状況になっているというのが僕自身の認識です。 だからこれから、今までのことはともかくこれから先のことを考えたときには、やはりさまざまな技術があります。AIの技術、無人機の技術、量子技術、さまざまな技術がある中で、研究技術もある中で、そういった技術も積極的に活用しながら国を守るということを実現するためにはどうすべきかと考えたときに、やはりそこは、学の部分はもう完全に切り離すと、それはやっぱり難しい。だから学の部分についても共同で研究できるような、そういった防衛だから、忌み嫌って離そうということはもうやめにする必要があるし、そうしないとなかなか国を守るということも難しいんじゃないかという考え方で申し上げました。 毎日新聞:すいません。ちょっとさっき一気に聞いてしまいましたので、1個1個確認しますと、まず2つの声明、「戦争を目的とする科学技術の研究については絶対に従わない」。これはまず賛同、考え方は一致されているんでしょうか。 吉村:まず、防衛を目的とするものについては必要だというふうに思っています。 毎日新聞:「軍事目的のための科学研究を行わない」、これも同じ考えでしょうか。 吉村:日本の防衛のためには、科学研究については僕は必要だというふうに思っています。
アカデミックな場でも研究すべきという考えか
毎日新聞:自衛隊に関しても、先日、専守防衛で国が本当に守れるのかというようなことをおっしゃっておられました。そうしますと軍事を積極活用するわけではないんだけれども、ある種、抑止力のために保持する必要があるというような、こういう考え方に落ち着くのか、それを学術会議のような話であれば、アカデミックな場でもそのための研究をすべきというようなお考えなんでしょうか。その辺りを教えてください。 吉村:まず、強烈な抑止力を確保するということが必要だと思っています。これはもう日本に攻めても大丈夫だと思われた段階で抑止力がなくなるわけですから、これはじゃあどうやって、そうならないようにする。だから僕は戦争大反対ですから。もう絶対に戦争は避けたいという考え方です。それはみんなが戦争、誰も起こさなければもう何も持つ必要はないので、それが一番いい状況なわけですけども、ただ、先ほど僕が冒頭で申し上げた状況になっているのも事実です。もう日本は攻めても大丈夫だと思われた瞬間、そういった抑止力が利かなくなりますから、抑止力を確保するという意味でも新しい科学技術等を持ち得た防衛力っていうのをきっちり身に付けておくということが重要だという考え方です。 宇宙にしても、宇宙・サイバー・電磁波っていうのが今、非常に重要な領域だといわれて、少しずつ進んでますけども、それを見てもやっぱり圧倒的に中国がそこに掛けるパワーっていうのは全然違いますから。ただ、日本はいろんな新しい科学技術がある、またそういったことを持つ国でもありますので、そこをあまりにも防衛と切り離してしまうと、抑止力も確保できなくなってしまう。また、抑止力と、万一有事のとき、攻めてこられたときに対抗するっていうのは非常に表裏一体なところはあるんですけれども、戦争を起こさないために、あるいは侵略されないために、われわれは何をすべきかというのを考える必要があるということです。 憲法9条ができたころ、あるいは戦後の学術会議の発想も、侵略しないというのはもちろんあるわけですけれども、もう今の時代となっても侵略されないということも前提に考えなければならない時期に来ているし、そのための抑止力や防衛力、これを付ける必要があると。僕は専守防衛ではこれは難しいと思っています。 だから、【センター**01:01:25】はやっぱり憲法9条だと思ってますので、憲法9条についても、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と書いてある、「国の交戦権は、これを認めない」というふうにもなっています。