「医院長の手を握り締めて出産」「陣痛の合間になぜかあの野球選手にキレる⁉」出産爆笑エピソード。産後の便秘問題について専門家に聞く
「産後の便秘はあるある。消化吸収の良い食べ物を選びましょう」と、濵脇先生
「胎児の定位置は、本来ならば腸がある部分です。胎児が成長するにつれて、腸は脇に追いやられ、膀胱も圧迫されます。出産時には赤ちゃんは臓器を圧迫しながら、ある部分は引き伸ばしながら 産まれてきます。そして出産後、臓器は本来の位置に戻ろうとします。 こういった妊娠・出産時の負荷や産後の急速な身体の変化で、臓器が一時的に“普通ではない状態” になることがあります。具体的には尿意や便意の感覚が鈍くなる、などです。 膀胱がパンパンなのに尿意がおこらず、カテーテルで排尿することは、産後直後は珍しくありません。 コメントでは便意はあるものの『会陰切開の傷が痛くていきむのが怖い』とありましたが、それも便秘を助長させる原因のひとつで、病院によっては産後、最初から予防的に便秘薬を処方する病院もあるほどです。 『私はスルスルでたよ』という経産婦さんもいると思いますが、個人差だけでなく予防的に便秘薬を処方されていた可能性はあります。 便秘について心配な場合は、助産師さんに相談してみてください。便秘が続くと便が硬くなり、エピソードのように摘便になることもあります。 そして予防策としては産後の暴飲暴食は控えましょう(笑) 実は食べ物の消化と吸収にはすごいパワーとエネルギーが必要で、出産でへたっている腸には負担になる可能性があるからです。 出産を終えて、妊娠時に我慢していた生ものやアレやコレやを食べたい!という願望はあると思いますが、消化吸収の良い食べ物を選び、水分をしっかりとることをおすすめします」
濵脇文子(はまわき ふみこ)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。 取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部 ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2024年7月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部