広島・坂倉 来季は捕手でフル出場「開幕からチームの力に」 2500万円増の年俸1億5000万円で更改
広島・坂倉将吾捕手(26)が2日、広島市南区の球団事務所で交渉し、2500万円増の年俸1億5000万円で契約を更改した。序盤の打撃不振をシーズン後半に巻き返しながら、捕手としての出場が大きく減少した今季。11月下旬に手術した右肘は開幕に間に合う見通しで、来季目標には全143試合先発マスクを掲げ「開幕からチームの力になれるように」と力を込めた。 11月28日に東京都内の病院で受けた右肘クリーニング手術から4日目。坂倉は2500万円増となる年俸1億5000万円の球団提示に「しっかり評価してもらえた」とうなずきつつ、最も気になる予後の見通しなどについて初めて言及した。 「(右肘痛は)そこまで深刻ではなかったけど、もう一回頑張りたいという思いで踏み切った。可能ならキャンプから行きたい。僕はできることをやり、あとは首脳陣やトレーナーが判断すること」 激動の1年だった。フォーム改造から打撃不振に陥り、シーズン前半終了時点で打率・203。従来のそれに戻した後半は一転、リーグトップの同・350と打ちまくり、最終的には出場121試合で打率・279、44打点、チーム最多12本塁打の成績を残した。 一方、守備では一塁での起用が増え、捕手としての出場は113試合から76に、先発に限っても102試合から64に、それぞれ減った。いきおい、先発マスクの来季目標は「143(試合)で」と即答。改めて本業への熱い思いを口にした。 「チームでは(マスクを)一番かぶることができたけど、去年より出場機会が減っているので、もう一回しっかり頑張れるように。年下の投手もたくさん出てきているので、僕なりに経験したことを伝えていけたら」 今秋も貴重な経験を重ね、収穫を得た。侍ジャパンの正捕手として国際大会「プレミア12」(11月9~24日)に参戦。投手陣をけん引しただけでなく、出場7試合で打率・444、1本塁打、4打点をマークしてベストナインに選ばれた。 「たくさんの投手を受けさせてもらったので勉強になったし、学ぶことが多かった。課題も見つかった。スイングスピードや打球速度を上げていきたい」 広島の捕手で全試合に出場すれば、1987年の達川光男(広島元監督、評論家=当時は130試合)以来。幸い、術後でも開幕には間に合う見通しだ。 「開幕からチームの力になれるよう、しっかり調整したい。2年連続で優勝目前までいったけど、勝ち切れなかったのでチームとして頑張りたい」 シーズン通しての活躍とV奪還。坂倉がリードで、自慢のバットでけん引する。(江尾 卓也)