「皆さんが思うほど快適じゃない」つらかったパリ五輪の選手村 豪競泳選手が過酷な環境を再主張「私たち不潔だった」
世界一を争うトップアスリートにとって、やはり過酷な環境だった。「史上最も環境にやさしい大会」の実現を謳ったパリ五輪において、いわば“象徴”でもあった選手村だ。 【画像】エアコンなしの質素なデザインは裏目? 選手たちから苦情が殺到したパリ五輪選手村の全容 大会期間中も論争は尽きなかった。開幕前の7月18日から各国アスリートの入村が相次ぐとさまざまな意見が噴出。数多の問題点が露見した。 サステナビリティを重視した運営側がビーガンメニューを豊富に取りそろえた食事は、環境面への配慮がされた一方で肉料理の不足が否めず。「控えめに言って最悪」(ドイツホッケー男子代表クリストファー・リュール談)と酷評されるほどに質を欠いた。「魚に虫がいるんだ」(英競泳男子代表アダム・ピーティ談)という衝撃的な告白もあったほどだ。 さらにエアコンが設置されていない各室は「暑すぎる」と不満が殺到。各会場への移動に使用されたシャトルバスも、車内にエアコンがないうえに、ドライバーが道に迷う事例が多発。選手村はありとあらゆる面で多くの課題を抱えた。 実際、どれほど選手たちにとって厳しい環境だったのか。現地時間8月11日に閉幕した大会期間中にも「選手が(競技の)準備をするのに最適な環境ではないことは確か。私たちがいいパフォーマンスをするために作られたものではなかった」と言及していた豪州の女子競泳代表で、400メートル自由形で金メダルに輝いたアリアーン・ティトマスは、帰国後に母国のニュース番組『The Project』に出演。そこで改めて、選手村への本音を打ち明けた。 「最初の1日目が終わった翌日にベッドのシーツは交換されたんだけど、その後は滞在期間中に一度も交換されることはなかった。だから私たちはちょっと不潔だったと思う。トイレットペーパーもなくなったら満足にもらえなかったから、なんとか貰うためにルームメイトの人数をごまかさなきゃいけなかった」 苦労が絶えなかったという五輪生活。「楽じゃなかった」とも続けるティトマスは、「ディズニーランドにいるみたいと思う時もあったけど、あの選手村は皆さんが思っているほど華やかなで、快適な場所ではない」と結論付けた。 ありとあらゆる面で問題が表面化したパリ五輪の選手村。今大会で浮き彫りになった課題が4年後のロサンゼルス大会でいかに活かされるかは大いに興味深いところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]