日本女子卓球・歴代最強選手は誰? エース・早田ひなが“超えるべき”パリ五輪での壁「まだ最強とは言い切れない…」
これまでの日本選手とは違う強み
一方で大丸さんは、早田の強さには、「強烈なフォアハンド」「ブロック」「笑顔」の3つの理由があると分析する。 「早田選手の特徴は、長身と長いリーチを生かした左腕からの強烈なフォアハンドドライブです。この1点に関しては、中国選手含め世界一の強打を繰り出せます。このフォアハンドを活かすための、サーブ・レーシブ・バックハンドなどの周辺技術もここ数年で飛躍的に向上しています。 また、ブロックからの展開で点が取れるのも、彼女ならではの強みです。卓球は守りより攻めの方が有利なスポーツなので、トッププロの世界でブロックという技術はそこまで多く使われません。ところが早田選手は、このブロックを戦術の1つとして中国選手から得点できるのです」(大丸さん) 通常のブロックは、卓球台からできるだけ離れないことが鉄則。離れすぎると、大きく左右に揺さぶられたときに対処できないからだ。 しかし、早田は長身で手足が長いため、ほかの選手より1歩後ろに下がった位置からでも、広角に打ち分けられたボールに届くことが可能。これにより、ブロックを戦術に組み込むことができているという。 「そして彼女は何より、試合を心から楽しんでいるのが印象的。ここ数年の早田は、試合中に笑うことが非常に多いです。特に競った試合こそよく笑います。ムリに笑って緊張をほぐそうとしているわけではなく、1球の駆け引きを本当に心から楽しんでいる、といった表情です。 試合後のインタビューを聞いても、試合が本当に楽しくて仕方がないのだと思います。中国選手が、王者として絶対に負けられないプレッシャーがかかる中で、早田選手のマインドは精神的に優位に立っていると感じます」 恵まれた体格に甘えることなく、悔しい経験をバネにして心身ともに日本のエースへと成長した早田。今では“歴代最強の日本女子卓球選手”と言っても過言ではなさそうだが、この点に関してはインタビューに答えた2人ともに、「それは今大会の結果次第」と口をそろえる。
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